概要
サンダルフォンは、ユダヤ教神秘主義の伝承に登場する天使で、しばしばメタトロン(メタトロン)と「双子の天使」として対にして語られる。
語源
「サンダルフォン」の語源には諸説(ギリシャ語「共同の(あるいは兄弟の)者」に由来するとする説など)あるが、確定した定説はない。
歴史
メタトロンと同様、聖書正典には登場せず、後代のユダヤ教神秘主義文献に由来する存在である。伝承によっては、預言者エリヤ(列王記下2章で「つむじ風に乗って天に上げられた」とされる人物)が天に昇りサンダルフォンへと変容したとする説もあり、この点でエノク=メタトロンの伝承と対をなす構造を持つ。
各伝統における意味
ユダヤ教神秘主義
人間の祈りを集めて天へと運び、神の御前に届ける役割を持つとされる天使として語られることが多い。
西洋秘教(ヘルメス・カバラ)
黄金の夜明け団の対応表では、生命の木の第10(最下層)セフィラ「マルクト」(マルクト)に対応する天使とされる。ケテル(最上層)に対応するメタトロンと、マルクト(最下層)に対応するサンダルフォンが対をなす構図は、生命の木全体の垂直軸を象徴的に表すものとして語られることがある。これはユダヤ教内部の伝承とは別系統の、近代西洋秘教における体系化である。
関連ノード
生命の木から見た整理(任意)
本項は本プロジェクト独自の整理モデルであり、歴史的事実の記述ではない。黄金の夜明け団の対応表では第10セフィラ「マルクト」に対応するとされる。
参考文献
- Pseudo-Dionysius the Areopagite, The Celestial Hierarchy, in Pseudo-Dionysius: The Complete Works, trans. Colm Luibheid, Paulist Press, 1987. — 天使論一般の一次資料(サンダルフォンは別系統の伝承だが天使論研究の基礎文献として参照)
- Gershom Scholem, Major Trends in Jewish Mysticism, Schocken Books, 1941. — ユダヤ神秘主義における天使伝承を含む古典的研究