概要
アゲート(瑪瑙、Agate)は、縞模様を特徴とする微結晶質の石英。西洋の宝石誌学では水星(水星)に対応づけられ、弁舌・機知・説得力を高める護符として用いられた。
語源
「アゲート(Agate)」はギリシャ語 ἀχάτης(アカテース)に由来し、大プリニウス『博物誌』によれば、シチリア島の川アカテス(現アカーテ川)で最初に発見されたことにちなむ地名由来の語とされる。
歴史
大プリニウス『博物誌』(1世紀)にすでに詳しい記述があり、古代から広く知られた石であった。ルネサンス期のハインリヒ・コルネリウス・アグリッパ『三部の奥義書』などの占星術的宝石対応表で、水星に配当される石として挙げられる。
各伝統における意味
占星術的宝石学
水星が司る言語・知性・雄弁との対応から、弁舌を助け、危険から身を守る護符として身につけられた。文献によっては勝負運・視力の向上といった付随的な効能も語られる。
装飾・工芸における用法
彫りやすく多様な色調を持つ性質から、古代から印章・カメオ彫刻の素材として広く用いられ、実用面でも重要な石であった。
関連ノード
参考文献
- Heinrich Cornelius Agrippa, Three Books of Occult Philosophy, trans. James Freake, ed. Donald Tyson, Llewellyn Publications, 1993(原典1533年). — 占星術的宝石対応表の代表的一次資料
- Joan Evans, Magical Jewels of the Middle Ages and the Renaissance, Clarendon Press, 1922. — 中世〜ルネサンス期の宝石誌学史を扱う古典的学術研究