概要
オニキス(縞瑪瑙)は、黒色を基調とする層状の縞模様を特徴とする石英質の石。西洋の宝石誌学では土星(土星)に対応づけられ、その黒さ・重厚さが土星の性質(抑制・厳粛さ)と結び付けて理論化された。
語源
「オニキス(Onyx)」はギリシャ語 ὄνυξ(オニュクス、「爪」の意)に由来し、桃色がかった白い部分が人間の爪の色に似ていることにちなむとされる。
歴史
旧約聖書出エジプト記28章に記される大祭司の胸当ての12の石の一つとして言及されるなど、古代から重要視された石である。中世ヨーロッパのラピダリー文献では、土星に対応づけられる代表的な黒い石として扱われた。
各伝統における意味
占星術的宝石学
土星が司る抑制・忍耐・境界との対応から、感情を鎮め、規律を保つ護符として身につけられた。文献によっては悪夢を防ぐ、あるいは逆に悪夢を引き起こすとする相反する俗信も伝わり、単一の確定した評価があるわけではない。
聖書における象徴
大祭司の胸当ての12石の一つとされることから、キリスト教・ユダヤ教の伝統では聖なる12という数と結び付けられた石の一つとしても位置づけられる。
美術
彫りやすい層状構造から、古代から印章・カメオ彫刻に好んで用いられた。
関連ノード
参考文献
- Heinrich Cornelius Agrippa, Three Books of Occult Philosophy, trans. James Freake, ed. Donald Tyson, Llewellyn Publications, 1993(原典1533年). — 占星術的宝石対応表の代表的一次資料
- Joan Evans, Magical Jewels of the Middle Ages and the Renaissance, Clarendon Press, 1922. — 中世〜ルネサンス期の宝石誌学史を扱う古典的学術研究