辞典 / 神話

オルペウスとエウリュディケ


視点: 神話 / 西洋美術 / 文学 / 心理学
テーマ: ギリシャ神話

概要

オルペウスとエウリュディケは、ギリシャ神話の悲恋譚。竪琴の名手オルペウスが、毒蛇に噛まれて死んだ妻エウリュディケを取り戻すため冥界に下るが、地上に戻るまで振り返ってはならないという禁忌を破り、妻を永遠に失うとされる。

コロー『冥界からエウリュディケを導くオルフェウス』(1861年)
ジャン=バティスト・カミーユ・コロー『冥界からエウリュディケを導くオルフェウス』(1861年)。Public domain, via Wikimedia Commons

各伝統における意味

ギリシャ神話

冥界への道中、オウィディウス『変身物語』はオルペウスの音楽が冥界の番犬ケルベロス(ケルベロス)をも眠らせ、無事に通過させたと伝える。オルペウスの竪琴の演奏は、冥界の王ハデス(ハデス)と王妃ペルセポネ(ペルセポネ)の心をも動かし、エウリュディケを地上に連れ帰ることを許される。ただし「地上に出るまで決して後ろを振り返ってはならない」という条件付きであったが、オルペウスは出口の直前で不安に耐えきれず振り返ってしまい、エウリュディケは再び冥界へ引き戻される。

「振り返るなという禁忌」の類型

世界各地の神話・民話に見られる「見るな・振り返るな」という禁忌のモチーフ(日本のイザナギ・イザナミ神話における黄泉の国訪問譚もしばしば比較対象とされる)の代表的なギリシャの一例として、比較神話学で扱われることがある。

文学

古代ローマの詩人ウェルギリウス(『農耕詩』)、オウィディウス(『変身物語』)が主要な古典文献。オペラの題材としても繰り返し扱われ、モンテヴェルディ『オルフェオ』(1607年)などが著名。

心理学

冥界下りと喪失の物語として、ユング心理学の文脈で「振り返ることの心理的意味」をめぐる解釈がなされることがある。

関連ノード

参考文献

関連ノード(発見の質でグループ化)

隣接の発見