概要
ジョルダーノ・ブルーノ(Giordano Bruno、1548年-1600年)は、イタリア出身の哲学者・修道士。無限宇宙論・複数世界論を唱えた思想家として知られ、最終的に異端審問により火刑に処された。
歴史
ドミニコ会修道士として出発したが、正統教義からの逸脱を理由に修道会を追放され、以後ヨーロッパ各地を放浪しながら著作・講義活動を行った。1600年、ローマで異端審問により火刑に処された。彼の異端とされた思想には、コペルニクスの地動説を超えた無限宇宙論・複数世界論に加え、三位一体教義への疑義など複数の要素が含まれ、処刑の主たる理由が科学的見解にあったのか神学的異端にあったのかについては、歴史学的に議論が続いている。
各伝統における意味
ヘルメス思想の受容者として
ブルーノは、ヘルメス思想(ヘルメス思想)を自らの宇宙論・魔術思想の重要な源泉の一つとして積極的に取り入れた。20世紀の歴史学者フランセス・イエイツは、ブルーノの思想を「ヘルメス的伝統」の観点から再解釈する研究を発表し、ルネサンス思想史研究に大きな影響を与えた。
近代科学史における位置づけ
無限宇宙論・複数世界論は後の宇宙論の展開を先取りする面を持つ一方、ブルーノ自身の動機・方法論は近代的な意味での経験科学というより、ヘルメス思想的・魔術的な宇宙観に基づくものであったとされる。ブルーノを「科学のために殉教した人物」として単純化する近代の物語は、歴史学的には慎重な検討を要するとされる。
哲学
無限宇宙・複数世界という思想は、後の哲学・宇宙論に影響を残した。
関連ノード
- ヘルメス思想 — 思想の重要な源泉とした伝統
参考文献
- Frances A. Yates, Giordano Bruno and the Hermetic Tradition, University of Chicago Press, 1964. — ブルーノ思想のヘルメス的背景を扱う古典的研究
- Ingrid D. Rowland, Giordano Bruno: Philosopher/Heretic, Farrar, Straus and Giroux, 2008. — 近年の標準的学術的伝記