概要
ジョヴァンニ・ピコ・デラ・ミランドラ(Giovanni Pico della Mirandola、1463年-1494年)は、フィレンツェのルネサンス人文主義者。ユダヤ教のカバラをキリスト教の枠組みに取り入れた「キリスト教カバラ」の先駆者として知られる。
歴史
マルシリオ・フィチーノ(マルシリオ・フィチーノ)主宰のプラトン・アカデミーに参加し、23歳で神学・哲学・カバラなど900の命題(『900の命題』)を提示し公開討論を企画したが、教皇庁により一部が異端とされ討論は実現しなかった。この序文として書かれた『人間の尊厳についての演説』は、後世「ルネサンス・ヒューマニズムの宣言」としてしばしば言及される。
各伝統における意味
キリスト教カバラの先駆
ピコは、ユダヤ教のカバラ(カバラ)文献の中に、キリスト教の真理を裏付ける秘教的な証拠が隠されているとする立場から、カバラをキリスト教の文脈に取り入れる試みを行った。これはユダヤ教内部のカバラ本来の教説とは異なる、ルネサンス期のキリスト教的再解釈である。
人間の尊厳という思想
人間は宇宙のどの位階にも固定されず、自らの意志によって獣にも神にも近づきうる自由な存在であるとする思想を展開し、ルネサンス人文主義における人間観の象徴的な表現として広く参照される。
関連ノード
- マルシリオ・フィチーノ — プラトン・アカデミーで共に活動した人物
- カバラ — キリスト教的に再解釈した伝統
参考文献
- Brian P. Copenhaver, Magic and the Dignity of Man: Pico della Mirandola and His Oration in Modern Memory, Harvard University Press, 2019. — ピコ研究の近年の標準的学術文献
- Frances A. Yates, Giordano Bruno and the Hermetic Tradition, University of Chicago Press, 1964. — キリスト教カバラの成立史を含むルネサンス秘教思想史の古典的研究