辞典 / 伝統・思想体系

カバラ


視点: カバラ / 宗教 / ヘルメス思想 / 西洋魔術
テーマ: 生命の木

概要

カバラ(ヘブライ語: קַבָּלָה、「受け取ること・伝承」の意)は、ユダヤ教内部に発展した神秘主義的解釈の系譜。12〜13世紀の南フランス・スペインで文献として体系化され、その後複数の系譜に分かれて発展した。19世紀末以降は西洋の秘教結社にも取り入れられ、ユダヤ教内部のカバラとは別系統の「ヘルメス・カバラ(西洋秘教カバラ)」が形成された。この2つの層を混同しないことが重要である。

語源

ヘブライ語動詞 קִבֵּל(キベル、「受け取る」)に由来する名詞形。

歴史

初期の萌芽は古代末期のヘブライ語神秘主義文献(『形成の書』など)に遡るとされるが、体系としてのカバラは12世紀プロヴァンスの『バヒールの書』、13世紀スペインの『ゾハール』(カバラの中心文献)の成立を経て確立した。16世紀サフェド(現イスラエル北部)のイツハク・ルリアによる再解釈(ルリア・カバラ)が後世に大きな影響を与えた。

各伝統における意味

ユダヤ教内部のカバラ

神と世界の関係、創造の過程、悪の起源といった神学的問題を、神秘主義的な象徴体系(生命の木、生命の木を参照)を用いて論じる。ユダヤ教の律法遵守と一体のものとして実践された。ヘブライ文字の数価を用いて語句を解釈する「ゲマトリア」(ゲマトリア)も、カバラ文献の中で特に精緻に体系化された解釈技法である。

キリスト教カバラ

15世紀末、ピコ・デラ・ミランドラ(ピコ・デラ・ミランドラ)が、カバラ文献の中にキリスト教の真理を裏付ける証拠が隠されているとする立場から、カバラをキリスト教の文脈に取り入れる「キリスト教カバラ」の先駆けとなった。これはユダヤ教内部のカバラ本来の教説とは異なる、ルネサンス期の再解釈である。

西洋秘教(ヘルメス・カバラ)

19世紀末の黄金の夜明け団などの西洋秘教結社は、ユダヤ・カバラの生命の木の図式を、タロット・占星術・錬金術と結びつけた独自の対応体系(ヘルメス・カバラ)を構築した。これはユダヤ教内部のカバラとは成立背景も目的も異なる、近代西洋における再解釈・再利用である。本プロジェクトの各ノードで扱う「生命の木から見た整理」の多くは、この西洋秘教カバラの対応表に基づくものであり、ユダヤ教の伝統的教義そのものではない。

文学

『ゾハール』はユダヤ神秘主義文学の中心文献として、後世の文学・思想に広く影響を与えた。

関連ノード

参考文献

関連ノード(発見の質でグループ化)

隣接の発見