辞典 / 概念

カバラの四つの世界


視点: カバラ / タロット / 西洋魔術
テーマ: 生命の木

概要

カバラの四つの世界(オラモット)は、神の顕現から物質世界に至る4つの段階的な存在階層を説く、後期カバラ(特にルリア・カバラ)の宇宙論的枠組み。上位から順にアツィルト(流出界)・ブリアー(創造界)・イェツィラー(形成界)・アッシャー(活動界)と呼ばれる。

語源

「アツィルト(אֲצִילוּת)」は「近接・流出」、「ブリアー(בְּרִיאָה)」は「創造」、「イェツィラー(יְצִירָה)」は「形成」、「アッシャー(עֲשִׂיָּה)」は「行為・製作」を意味するヘブライ語。いずれも創世記1章の異なる動詞(バラー=創造する、アサー=作る、など)に由来する。

歴史

四つの世界という概念自体は初期カバラ文献にも萌芽が見られるが、16世紀のイツハク・ルリアによる再解釈(ルリア・カバラ)を通じて精緻に体系化された。各世界にはそれぞれ独自の生命の木(生命の木)の構造が対応するとされ、上位の世界が下位の世界の「原型」として機能するという入れ子構造的な宇宙論を形成する。

各伝統における意味

ユダヤ・カバラ内部の教説

アツィルトは神性そのものに最も近い流出の段階、ブリアーは純粋な創造的観念の段階、イェツィラーは天使的な形成の段階、アッシャーは物質として具現化する最終段階とされる。

近代西洋秘教(黄金の夜明け団以降)

黄金の夜明け団の体系では、タロットの宮廷札(キング/クイーン/ナイト/ペイジ)を、それぞれこの四つの世界に象徴的に対応づける解釈が用いられる(キング=アツィルト、クイーン=ブリアー、ナイト=イェツィラー、ペイジ=アッシャー)。これはユダヤ教内部のカバラの教義そのものではなく、近代オカルティズムによる象徴的な援用である点に注意が必要である。

関連ノード

参考文献

関連ノード(発見の質でグループ化)

隣接の発見