概要
ピタゴラス(Πυθαγόρας、紀元前6世紀頃)は、古代ギリシャの哲学者・数学者。南イタリアのクロトンに宗教的・哲学的な結社(ピタゴラス教団)を設立し、「万物は数である」とする独自の宇宙観を説いた。西洋の数秘術(数秘術)の思想的源流として位置づけられる。
歴史
ピタゴラス自身の著作は現存せず、その思想は後代のアリストテレスらによる伝聞や、新プラトン主義の文脈で再構成された断片的な情報を通じて知られる。歴史上の人物としてのピタゴラスと、後代の伝説が付与された「ピタゴラス」像を厳密に区別することは、史料的制約から困難であるとされる。
各伝統における意味
ピタゴラス派の数論
数そのものに神秘的・宇宙論的な意味を見出し、点を三角形状に積み上げた図形「テトラクテュス」(4を参照)を神聖視したとされる。魂の輪廻転生(メテンプシュコーシス)を説いたことでも知られる。
音楽と宇宙の調和
弦の長さの比率と音程の関係を発見したとされ、この発想は後に惑星の運行と音楽的調和を結び付ける「天球の音楽」という西洋思想の系譜に影響を与えたとされる。
哲学
「万物は数である」という発想は、後のプラトン哲学(特に『ティマイオス』の宇宙論)にも影響を与えたとされる。
関連ノード
参考文献
- Walter Burkert, Lore and Science in Ancient Pythagoreanism, trans. Edwin L. Minar, Harvard University Press, 1972. — ピタゴラス・ピタゴラス派研究の標準的学術文献