概要
西洋儀式魔術(西洋儀式魔術)における基本的な2つの技法。「召喚(インヴォケーション、invocation)」は神格・霊的存在の力を実践者自身の内に招き入れる技法、「喚起(エヴォケーション、evocation)」は霊的存在を実践者の外部(魔法円の中など)に呼び出す技法として区別される。
語源
ラテン語 invocare(呼び入れる)と evocare(呼び出す)に由来し、両者の接頭辞の違い(in-=内へ、e-=外へ)が技法の方向性の違いに対応するとされる。
歴史
中世〜近世のグリモワール(魔術書、グリモワール)文献には、悪霊・天使を呼び出す(喚起する)ための具体的な手順が記されている。これらの実践は、召喚した存在から実践者を守るための魔法円(魔法円)の使用と対で語られることが多い。
各伝統における意味
中世〜近世のグリモワール伝統
主に外部の霊的存在を呼び出し、命令・使役しようとする「喚起(エヴォケーション)」の実践が中心的だった。
近代西洋秘教
黄金の夜明け団以降の体系では、神格の力を自己の内に招き入れる「召喚(インヴォケーション)」が、外部の霊を使役する「喚起(エヴォケーション)」よりも精神的な実践として重視される傾向がある。この重点の変化は、19世紀末以降の西洋秘教が、外的な霊操作から内的な精神的変容へと関心を移していったことの一つの表れとして、研究者によって指摘されることがある。
関連ノード
参考文献
- Owen Davies, Grimoires: A History of Magic Books, Oxford University Press, 2009. — 中世〜近世の魔術書伝統の標準的学術研究
- Israel Regardie, The Golden Dawn: A Complete Course in Practical Ceremonial Magic, 6th ed., Llewellyn Publications, 1989(初版1937-1940). — 黄金の夜明け団内部の儀式実践の一次資料