辞典 / 象徴


視点: 象徴 / 宗教
テーマ: 図像学

概要

錨は、安定・希望・堅固さを象徴する図像的モチーフ。初期キリスト教のカタコンベ(地下墓所)美術において、迫害下で十字架を暗示する意匠として用いられた事例が知られる。

ピーテル・ブリューゲル(父)原画、フィリップス・ハレ版画『七つの徳』より「希望(スペス)」— 錨の上に立つ擬人像
ピーテル・ブリューゲル(父)原画、フィリップス・ハレ版画『七つの徳』連作より「希望(スペス)」(16世紀半ば)。巨大な錨の上に立つ「希望」の擬人像を描く。Public domain, via Wikimedia Commons

各伝統における意味

初期キリスト教

新約聖書ヘブライ人への手紙6章19節に「この希望は魂にとって安全で確かな錨のようなものである」という表現があり、この一節を背景に、錨は「希望」を象徴する図像として初期キリスト教美術に取り入れられたとされる。ローマのカタコンベ壁画には、十字の形状を連想させる錨の意匠が複数確認されており、公然と十字架を掲げることが困難だった迫害下の時代における、婉曲的な信仰表現の一つと解釈されることがある。

世俗的な用法

船舶の停泊具としての実用的機能から、堅実さ・安定・忠誠を表す世俗的な意匠としても紋章・記章などに広く用いられてきた。

ルノルマンカード

ルノルマンカード(ルノルマンカード)では、錨は安定した仕事・長期的な安定・停泊(停滞)を象徴するカードとして用いられる。

関連ノード

参考文献

関連ノード(発見の質でグループ化)

隣接の発見