辞典 / 芸術家

マテウス・メーリアン


視点: 西洋美術 / 錬金術 / 歴史
テーマ: 西洋美術 / 錬金術

概要

マテウス・メーリアン(Matthäus Merian、1593年-1650年、通称「大メーリアン」)は、スイス・バーゼル出身、フランクフルトを拠点に活動した銅版画家・出版人。錬金術寓意書として名高いミヒャエル・マイヤー『逃げるアタランタ』(Atalanta Fugiens、1617年)の50枚の銅版画を手がけたことで、西洋錬金術図像の伝承に大きな役割を果たした。

ゼバスティアン・フルクによるマテウス・メーリアンの肖像銅版画(17世紀)
ゼバスティアン・フルク『マテウス・メーリアン肖像』(銅版画、17世紀)。Public domain, via Wikimedia Commons

歴史

バーゼルで版画修行を積んだのち、1616年頃にフランクフルトの出版業者ヨハン・テオドール・ド・ブリの工房に加わった。ド・ブリ工房は同時期にロバート・フラッド『大宇宙と小宇宙の歴史』(1617-19年)も刊行しており、メーリアンはこの時期の神秘思想・錬金術系図版出版の中心にいた版画家の一人といえる。後にド・ブリの娘マリア・マグダレーナと結婚し、工房を継承。フランクフルトのメーリアン出版社の当主となり、都市景観集『トポグラフィア』シリーズなど、錬金術以外の分野でも多数の銅版画を残した。

各伝統における意味

錬金術

『逃げるアタランタ』の挿絵は、各図版に寓意的な銅版画・警句・散文・楽曲(フーガ)を組み合わせた複合的な錬金術書として構成されており、メーリアンの図像は「賢者の石」の精製過程を視覚的に伝える代表的な錬金術イメージ群として後世に大きな影響を与えた。

現代文化

娘のマリア・ジビラ・メーリアンは、昆虫の変態を克明に描いた博物画で知られる自然科学画家として、父とは異なる分野で名を残している。

参考文献

関連ノード(発見の質でグループ化)

文脈の発見

隣接の発見