概要
『バッカスとアリアドネ』(Bacco e Arianna、1520年-1523年頃)は、ティツィアーノ(ティツィアーノ)による油彩画。ナクソス島に置き去りにされたアリアドネ(アリアドネ)の前に、酒神バッカス(ディオニュソス、ディオニュソス)が戦車から飛び降りて現れる瞬間を描く。
歴史
フェラーラ公アルフォンソ1世デステの依頼による神話画連作(カメリーノ・ダラバストロを飾る「ポエジー」連作)の一つとして制作された。現在はロンドンのナショナル・ギャラリーが所蔵する。
各伝統における意味
神話上の典拠
クレタ島の王女アリアドネ(アリアドネ)は、英雄テセウスの迷宮脱出を助けたが、その後ナクソス島に置き去りにされたとされる。悲嘆に暮れる彼女の前にバッカスが従者(サテュロス、マイナデスら)を伴って現れ、彼女に恋をして妻に迎えたという後日譚を、本作は描く。
美術
画面右上にはアリアドネの冠が星座(かんむり座)になったとする伝承にちなみ、星々が描き込まれている。躍動感あふれる構図と鮮やかな色彩は、ティツィアーノの色彩主義を代表する表現とされる。
文学
古代ローマの詩人カトゥルス(カトゥルス)やオウィディウスの作品に、アリアドネとバッカスの物語が伝えられている。
関連ノード
参考文献
- David Rosand, Titian, Harry N. Abrams, 1978. — ティツィアーノ研究の標準的モノグラフ