辞典 / 人物

カトゥルス


視点: 文学 / 神話 / 歴史
テーマ: なし

概要

ガイウス・ウァレリウス・カトゥルス(Gaius Valerius Catullus、紀元前84年頃-紀元前54年頃)は、共和政末期のローマの詩人。長編詩「カルミナ64番」の中に挿入されたアリアドネ(アリアドネ)の嘆きの描写は、オウィディウス『変身物語』に先立つ、この神話の最も情感豊かな古典的表現の一つとされる。

ローレンス・アルマ=タデマ『レスビアの家で自作の詩を読むカトゥルス』
ローレンス・アルマ=タデマ『レスビアの家で自作の詩を読むカトゥルス』(1870年)。Public domain, via Wikimedia Commons

歴史

「新詩派(ネオーテロイ)」と呼ばれる、当時の伝統的な叙事詩から離れ、簡潔で技巧的な短詩形式を好んだローマの詩人グループの代表格とされる。恋人「レスビア」(実在の人物クロディアの仮名とされる)への情熱的な恋愛詩でも広く知られる。

各伝統における意味

カルミナ64番とアリアドネの嘆き

長編詩「カルミナ64番」は、ペレウスとテティスの結婚を主題としながら、その中に、ナクソス島に置き去りにされ絶望するアリアドネの独白を挿入するという入れ子構造を持つ。この描写は、後代のオウィディウス『変身物語』のアリアドネ像にも影響を与えたとされる、ラテン文学における重要な先行作例と位置づけられる。

恋愛詩人としての評価

政治的混乱期のローマにあって、公的な題材よりも個人的な感情(恋愛の喜びと苦悩)を率直に詠んだ点で、後世のラテン恋愛詩(オウィディウス、プロペルティウスら)の先駆者として評価される。

文学

「新詩派」の技巧的な詩風は、後の帝政期ローマ文学にも大きな影響を与えた。

関連ノード

参考文献

関連ノード(発見の質でグループ化)

隣接の発見