概要
《魔法円(習作)》(The Magic Circle (study))は、ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス(ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス)が1886年の本画『魔法円』の制作に先立って描いた油彩の構図習作。本画同様、青い衣をまとった女魔術師が、剣状の刃物と杖を手に、燃える鍋(コールドロン)の周りに魔法円を描いている場面を描く。
歴史
習作でありながら仕上げの完成度が高く、ウォーターハウス自身がこの主題をどれほど重視していたかを示す資料とされる。1886年の王立芸術院夏季展に出品された本画は、シャントリー基金によって買い上げられテート・ギャラリーの永久コレクションに収蔵された、ウォーターハウスにとって出世作の一つ。
各伝統における意味
図像に描かれたモチーフ
女魔術師の首に巻きつく蛇(蛇)、周囲を飛ぶカラス、傍らのヒキガエルは、いずれも西洋の魔女表象で伝統的にオカルト・不吉の象徴として用いられてきたモチーフであり、19世紀末の魔女・魔術師イメージの視覚的定型をよく表している。地面に描かれた円環そのものは、儀式魔術における境界としての「魔法円」(魔法円)の視覚化でもある。
参考文献
- Frances Fowle, “The Magic Circle,” catalogue entry, Tate, 2000(Tate所蔵番号N01572). — テート美術館公式カタログによる本画の解説
- Guy Tal, “An Overlooked Femme Fatale in Victorian Art: The Medusan Sorceress in John William Waterhouse’s The Magic Circle,” Konsthistorisk tidskrift/Journal of Art History, vol. 93, no. 4, 2025. — 蛇・カラス・ヒキガエルなどの図像モチーフを含む学術的図像分析
- Peter Trippi, J.W. Waterhouse, Phaidon Press, 2002. — 本画と習作の制作背景を扱う基本文献