概要
黄道(こうどう、ecliptic)は、地球から見た太陽が天球上を1年かけて移動していく見かけの経路。西洋占星術の黄道十二宮(黄道十二宮)は、この黄道を12等分することで成立した体系であり、占星術の基礎をなす天文学的な基準線である。
語源
英語 ecliptic はギリシャ語 ἐκλειπτικός(ekleiptikos)に由来し、日食・月食(ἔκλειψις、ekleipsis)がこの経路付近でのみ起こることにちなむ。
歴史
古代バビロニアの天文学者は、恒星を背景とした太陽の年周運動の経路を観測により特定し、これを基準として黄道十二宮の原型を築いた。地球が太陽の周りを公転するという近代的な理解とは異なり、古代・中世の天動説的世界観では、黄道は「太陽が地球の周りを回る際に通る天球上の帯」として理解されていた。
各伝統における意味
占星術における基準線
サイン(サイン)をはじめ、惑星の位置・アスペクトなど、西洋占星術の技術的な計算の大半は、この黄道を基準線とした座標系(黄道座標)の上で行われる。
天文学における位置づけ
現代天文学では、黄道は地球の公転軌道面が天球と交わる大円として定義される。月の見かけの経路である「白道」は黄道からわずかに傾いており、両者が交差する点(交点)付近でのみ日食・月食が起こる。
関連ノード
参考文献
- Nicholas Campion, A History of Western Astrology, Volume I: The Ancient and Classical Worlds, Continuum, 2008. — 古代〜古典期の西洋占星術史の標準的学術研究
- Otto Neugebauer, A History of Ancient Mathematical Astronomy, Springer-Verlag, 1975. — バビロニア・ギリシャの黄道天文学を扱う標準的学術研究