概要
アレス(古代ギリシャ語: Ἄρης)はギリシャ神話における軍神。ゼウスとヘラの子とされる。ローマ神話の軍神マールス(火星の由来となった神)と同一視される。
語源
Ἄρης の語源には諸説あり、確定的な学術的合意はない。
歴史
ギリシャ神話の他のオリュンポス十二神と比較すると、ギリシャ本土での独立した崇拝の記録は限定的とされ、文学作品(特にホメロス叙事詩)における登場が神格像の形成に大きく寄与したと考えられている。
各伝統における意味
ギリシャ神話
戦争そのもの、特に無秩序で残虐な闘争の側面を体現する神とされ、ホメロス『イリアス』では必ずしも好意的に描かれない。知略を伴う戦争を司るアテナ(アテナ)としばしば対比される。
ローマ神話
ローマ神話の軍神マールスと同一視される。マールスはローマにおいてはギリシャのアレスよりも重視され、農耕神としての側面も持つ、国家の守護神格として扱われた。この名がそのまま英語の惑星名 Mars(火星)の由来となった。
関連ノード
参考文献
- Walter Burkert, Greek Religion, trans. John Raffan, Harvard University Press, 1985. — ギリシャ宗教研究の標準的学術文献
- Timothy Gantz, Early Greek Myth: A Guide to Literary and Artistic Sources, Johns Hopkins University Press, 1993. — 各神話の異伝を古典文献に即して整理した標準的資料集