概要
アスモデウスは、旧約聖書外典『トビト記』に登場する悪霊。後代の悪魔学では、七つの大罪のうち「色欲」を司る大悪魔として位置づけられる。
語源
ペルシャ語(アヴェスター語)の悪の霊 Aeshma daeva(怒りの悪魔)に由来するとする説が有力視される。
歴史
『トビト記』(紀元前2世紀頃成立、カトリック・東方正教会では正典、プロテスタントでは外典)に、サラという女性に取り憑いて7人の夫を次々に殺害する悪霊として登場する。天使ラファエル(ラファエル)の助言により、主人公トビアがこの悪霊を撃退する物語が展開される。
各伝統における意味
『トビト記』における記述
サラへの執着から歴代の夫を殺す悪霊として描かれ、魚の心臓と肝臓を焼く煙によって撃退されるという、民間信仰的な要素を含む逸話が伝わる。
中世〜近世の悪魔学
七つの大罪の「色欲」を司る大悪魔として体系化され、『アルス・ゴエティア』(アルス・ゴエティア)にも72柱の悪魔の一柱として記載される。
関連ノード
参考文献
- Gustav Davidson, A Dictionary of Angels, Including the Fallen Angels, Free Press, 1967. — 個々の悪魔の典拠を整理した参照文献
- Carey A. Moore, Tobit: A New Translation with Introduction and Commentary, Anchor Bible, Doubleday, 1996. — トビト記の標準的学術注解