概要
ラファエル(ヘブライ語: רָפָאֵל ラファエル、「神は癒し給う」の意)は、旧約聖書外典『トビト記』に登場する大天使。癒しと旅の守護を司るとされる。
語源
רָפָאֵל は「癒す(רָפָא)」と「神(אֵל)」を組み合わせた名とされる。
歴史
正典としての扱いはユダヤ教・プロテスタントでは外典(アポクリファ)とされる『トビト記』にのみ登場し、カトリック・東方正教会では第二正典として扱われる。この経典上の扱いの違いから、ラファエルは伝統によって権威づけが異なる大天使である。
各伝統における意味
『トビト記』における物語
盲目になった父を持つ青年トビアの旅に同行し、サラに取り憑いた悪霊アスモデウス(アスモデウス)を退け、魚の内臓を使った薬で父の目を治す役割を担う。この物語から「癒し」と「旅人の守護」を司る天使とされる。
教派間の扱いの相違
カトリック・正教会では公式に崇敬される大天使の一人だが、『トビト記』を正典として認めないプロテスタント諸派、およびユダヤ教では、ミカエル・ガブリエルほど確立した位置づけを持たない。
美術
トビアと連れ立って旅する姿(「トビアと天使」の画題)がルネサンス期に多く描かれた。
関連ノード
- 天使の位階(九階級) — 大天使位階に属する
- アスモデウス — 『トビト記』で退けるとされる悪霊
- 大天使ウリエル — 4大天使に数えられる際の同僚
生命の木から見た整理(任意)
本項は本プロジェクト独自の整理モデルであり、歴史的事実の記述ではない。(詳細は今後追記)
参考文献
- Pseudo-Dionysius the Areopagite, The Celestial Hierarchy, in Pseudo-Dionysius: The Complete Works, trans. Colm Luibheid, Paulist Press, 1987. — 天使の九階級論の一次資料
- David Keck, Angels and Angelology in the Middle Ages, Oxford University Press, 1998. — 中世天使論研究の標準的学術文献
- Gustav Davidson, A Dictionary of Angels, Including the Fallen Angels, Free Press, 1967. — 個々の天使の典拠を整理した参照文献