概要
『アルス・ゴエティア』(Ars Goetia)は、17世紀に編纂されたグリモワール『レメゲトン(ソロモンの小さな鍵)』の第一部。72柱の悪魔の名・印章(seal)・召喚方法を体系的に記載した文献として知られる。
語源
「ゴエティア(Goetia)」はギリシャ語 γοητεία(ゴエテイア、「魔術・呪術」の意、原義は「嘆き・哀号」)に由来する。
歴史
現存する最古の写本は17世紀のものだが、内容の一部は16世紀ヨハン・ヴァイヤーの悪魔学書『偽王国要覧』(Pseudomonarchia Daemonum)に由来するとされ、それ自体も更に古い中世〜ルネサンス期の悪魔学伝統を継承していると考えられる。1904年、アレイスター・クロウリー(アレイスター・クロウリー)がS.L.マグレガー・メイザース(サミュエル・リデル・マグレガー・メイザース)の翻訳を基に注釈版を出版し、近代西洋儀式魔術の実践者に広く知られるようになった。
各伝統における意味
グリモワール内部の体系
72柱の悪魔それぞれに、地位(王・公爵・伯爵など)、能力、召喚のための印章が定められている。実践者は魔法円(魔法円)の中で身を守りながら、印章を用いて悪魔を呼び出し使役するとされる。
近代西洋秘教における受容
クロウリー版の出版以降、近代西洋儀式魔術(西洋儀式魔術)の実践者にとって参照される代表的なグリモワール(グリモワール)の一つとなった。
現代文化
72柱の悪魔の名は、現代のファンタジー作品・ゲームにもしばしば引用される。
関連ノード
- グリモワール — 上位概念
- アスモデウス — 72柱に記載される悪魔の一柱
- ベリアル — 72柱に記載される悪魔の一柱
- アレイスター・クロウリー — 近代の注釈版を出版した人物
- サミュエル・リデル・マグレガー・メイザース — 翻訳を手がけた人物
参考文献
- Owen Davies, Grimoires: A History of Magic Books, Oxford University Press, 2009. — アルス・ゴエティアを含むグリモワール伝統の成立史を扱う標準的学術研究
- Aleister Crowley (ed.), S.L. MacGregor Mathers (trans.), The Goetia: The Lesser Key of Solomon the King, 1904(近年版: Weiser Books, 1995). — 近代に広く流布した注釈版