辞典 / 神格

モレク


視点: 宗教 / 神話 / 歴史
テーマ: 悪魔 / 旧約聖書

概要

モレクは、旧約聖書に登場する異教の神。子供を火で焼く生贄の儀礼と結び付けられ、レビ記・列王記などで繰り返し禁忌の対象として言及される。

アタナシウス・キルヒャー『オイディプス・アエギュプティアクス』所収のモレク偶像図版(1652年)
アタナシウス・キルヒャー『オイディプス・アエギュプティアクス』(Oedipus Aegyptiacus, 1652年)所収のモレク偶像図版。Public domain, via Wikimedia Commons

語源

ヘブライ語 מֹלֶךְ(モレク)は、王を意味する מֶלֶךְ(メレク)の母音を、「恥」を意味する בֹּשֶׁת(ボシェト)の母音に置き換えた蔑称的表記である可能性が学術的に指摘されている。

歴史

考古学的には、地中海沿岸のカルタゴなどフェニキア人植民地の遺跡で、子供の焼かれた遺骨を含む「トフェト」と呼ばれる祭儀場が発掘されており、これが旧約聖書の記述と関連づけられることがあるが、対応関係の詳細については学術的に議論が続いている。

各伝統における意味

旧約聖書における記述

レビ記18章・20章では、モレクへの子供の捧げ物が死刑に値する重大な禁忌として明記される。列王記上11章では、晩年のソロモン王(ソロモン王)が異国の妻たちの影響で異教の神々(モレクを含む)を礼拝する高き所を築いたとされ、これがソロモン王朝分裂の一因として位置づけられる。

後代の悪魔学への影響

ミルトン『失楽園』をはじめ、後代のキリスト教文学ではモレクが主要な堕天使・悪魔の一柱として描かれた。

文学

ジョン・ミルトン『失楽園』第1巻で、モレクは堕天使の一柱として描かれる。

関連ノード

参考文献

関連ノード(発見の質でグループ化)

隣接の発見