概要
イカロスは、ギリシャ神話の職人ダイダロスの息子。父が作った蝋と羽根の翼を使い、クレタ島の迷宮から脱出する際、太陽に近づきすぎて翼の蝋が溶け、海に墜落して死んだとされる。
各伝統における意味
ギリシャ神話
ダイダロスは、ミノス王の命でクレタ島の迷宮(ミノタウロスを閉じ込めた迷宮)を設計した職人だったが、王の怒りを買い息子イカロスと共に幽閉された。脱出のため自ら翼を作り、イカロスに「高く飛びすぎるな、低く飛びすぎるな」と忠告したが、イカロスは忠告に反して太陽に近づき墜落した。
教訓譚としての読解
伝統的に、若者の無謀さ・傲慢(ヒュブリス)への戒めとして読まれる、ギリシャ神話の代表的な教訓譚の一つとされる。
美術
ピーテル・ブリューゲル(父)作とされる『イカロスの墜落のある風景』(背景に小さく落下するイカロスの脚だけが描かれる特異な構図)が特に著名。個別作品は今後ノード化する。
文学
オウィディウス『変身物語』(『変身物語』)が主要な古典文献。W.H.オーデンの詩「美術館」など、後世の文学でも繰り返し主題とされた。
哲学
「中庸」を説く倫理観の比喩として、しばしば哲学的文脈でも引用される。
現代文化
「イカロスの翼」という表現は、現代でも過信による失敗・破滅の比喩として広く用いられる。
関連ノード
参考文献
- Timothy Gantz, Early Greek Myth: A Guide to Literary and Artistic Sources, Johns Hopkins University Press, 1993. — 各神話の異伝を古典文献に即して整理した標準的資料集
- Ovid, Metamorphoses, trans. A.D. Melville, Oxford University Press, 1986(原典 紀元前後). — イカロス神話を伝える代表的な古典文学作品