概要
クリスチャン・クノール・フォン・ローゼンロート(Christian Knorr von Rosenroth、1636年-1689年)は、ドイツ(シレジア地方)出身の学者・神学者。ユダヤのカバラ文献をラテン語に翻訳・編纂した大著『カバラ・デヌダータ』(Kabbala Denudata、「暴かれたカバラ」、1677年)の編者として、近世キリスト教カバラの最も重要な人物の一人に数えられる。
歴史
三十年戦争後のドイツで牧師の家庭に育ち、ライプツィヒ・ヴィッテンベルクなどで神学・法学・語学を学んだ。オランダ・フランス・イングランドを遍歴し、アムステルダムでラビのマイア・シュテルンらのもとでカバラを本格的に学び、イツハク・ルリア(イツハク・ルリア)に連なる重要な写本群も入手した。ヤコブ・ベーメの神智学思想からも影響を受けている。
各伝統における意味
キリスト教カバラ
『カバラ・デヌダータ』は、『ゾーハル』(『ゾーハル』)の抜粋やルリア・カバラの諸論考、モーシェ・コルドヴェロの著作などをラテン語に訳して収録した大部の資料集で、ヘブライ語を読めない非ユダヤ人読者にカバラ文献への扉を開いた点で画期的だった。この訳業により、クノールは同時代において「カバラに最も精通したキリスト教徒の学者」と評された。
参考文献
- Allison P. Coudert, The Impact of the Kabbalah in the Seventeenth Century: The Life and Thought of Francis Mercury van Helmont (1614-1698), Brill, 1999. — クノールと『カバラ・デヌダータ』編纂サークルを扱う標準的学術研究
- Wilhelm Schmidt-Biggemann (ed.), Christliche Kabbala, Jan Thorbecke Verlag, 2003(Pforzheimer Reuchlinschriften, 10). — キリスト教カバラ史の中でのクノールの位置づけを扱う学術論集