概要
エリヤは、『列王記』上下巻に登場する預言者。バアル(バアル)崇拝との対決、そして死ぬことなく「火の戦車」で天に上げられたとされる最期で特に知られる。
語源
ヘブライ語 אֵלִיָּהוּ(エリヤーフー)は「わが神はヤハウェである」を意味する。
各伝統における意味
ユダヤ教・キリスト教内部の教説
イスラエル王アハブとその妃イゼベルによるバアル崇拝の奨励に対抗し、カルメル山でバアルの預言者たちと「どちらの神が天から火を降らせるか」という対決を行い勝利する(列王記上18章)。晩年、後継者エリシャに油を注いだ後、旋風と火の戦車によって生きたまま天に上げられたとされる(列王記下2章)。この「死を経ない昇天」という特異な最期から、後代のユダヤ教では、メシア(救世主)到来に先立って再来するとする伝承が発展した。
新約聖書との関連
新約聖書では、洗礼者ヨハネがエリヤの再来として位置づけられる(マタイ福音書11章)。また「山上の変容(変容貌)」の場面(マタイ福音書17章)で、モーセ(モーセ)と共にイエスの前に現れる人物としても描かれる。
関連ノード
参考文献
- James L. Kugel, The Bible As It Was, Harvard University Press, 1997. — 聖書物語の古代における解釈史を扱う学術研究
- Mordechai Cogan, 1 Kings: A New Translation with Introduction and Commentary, Anchor Bible, Doubleday, 2000. — 列王記上の標準的学術注解