辞典 / 人物

ジョン・フォクストン


視点: 西洋占星術 / 歴史 / 宗教
テーマ: 西洋占星術 / 天使

概要

ジョン・フォクストン(John de Foxton、1369年頃生まれ、没年不詳)は、15世紀初頭イングランド・ヨークシャーの聖職者。1408年に完成させた百科全書的写本『宇宙誌の書(Liber Cosmographiae)』の著者として知られ、同書には黄道十二宮の各サインを人体の各部位に対応づける図像「ゾディアック・マン(黄道十二宮人体図)」が含まれることで特に知られる。

歴史

生年は1369年頃と推定される(1388年の副助祭叙階時の通例年齢から逆算されたもので、確定した史料に基づく生年ではない)。1388年にヨーク大聖堂で副助祭、1406年にフィッシュレイクの教区牧師(年収13ポンド)、1408年頃には貴族家系(ネヴィル家の可能性が指摘される)付きの礼拝堂付き司祭、1430年にラフトン・エン・ル・モーゼンの教区長(年収6ポンド)、同年から1434年までディニントンの教区長を務めた記録が残る。没年は不詳だが、1450年までには没していたと推定されている。1408年、ヨークのアウグスティノ修道院において、全104章から成るラテン語散文の百科全書的著作『宇宙誌の書』を完成させた。同書は寓意的動物譚・古代神話・世界史・医学(産科・月経・食餌)・占星術的予兆・宇宙誌(星座・惑星・日食)・気象(天候・潮汐)など多岐にわたる主題を扱う。挿絵は『シャーボーン・ミサ典書』の挿絵も手がけた画家ジョン・シファーワスの作とされる。現存する唯一の写本は英ケンブリッジ、トリニティ・カレッジ図書館(写本番号R.15.21)に所蔵されており、成立後まもなくノーズバラ近郊の三位一体修道院に寄贈され、修道院解散後に大主教ジョン・ホイットギフトによって同カレッジに寄贈された経緯が知られている。

各伝統における意味

中世占星医学と「ゾディアック・マン」

『宇宙誌の書』には、黄道十二宮(黄道十二宮)の各サインが人体の特定部位を支配するとする「ゾディアック・マン(黄道十二宮人体図)」の図像が含まれる。これは瀉血(治療のために特定の血管を切開する医療行為)を行う際、月がどのサインに位置しているかによって処置を避けるべき身体部位を示す実用的な医療占星術の図像であり、中世末期からルネサンス期にかけての医学書・暦書に広く採用された伝統的モチーフの一例をフォクストンの写本が伝えている。

百科全書的写本としての性格

同書は天使論を含むキリスト教的主題(天使の位階を参照)と古典神話・自然学的知識を併せて扱っており、単一の体系的思想書というよりも、複数の先行文献から広く材料を集めた中世末期の聖職者による百科全書的編纂物としての性格が強い。

美術

挿絵はジョン・シファーワスの作とされ、『シャーボーン・ミサ典書』などと並ぶ同時代イングランド写本彩飾の作例として研究されている。

関連ノード

参考文献

関連ノード(発見の質でグループ化)

隣接の発見