辞典 / 人物

ヨセフ


視点: 宗教 / 神話 / 歴史
テーマ: 旧約聖書

概要

ヨセフは、ヤコブ(ヤコブ)とラケルの息子。兄弟たちの嫉妬によりエジプトに奴隷として売られるが、夢解きの能力によりエジプトの宰相にまで昇り詰め、後に一族をエジプトに導く『創世記』後半(37〜50章)の主人公。

ディエゴ・ベラスケス『ヨセフの血染めの衣を見せられるヤコブ』(1630年)
ディエゴ・ベラスケス『ヨセフの血染めの衣を見せられるヤコブ』(エル・エスコリアル修道院、1630年)。Public domain, via Wikimedia Commons

語源

ヘブライ語 יוֹסֵף(ヨセフ)は「加える・増す」を意味する語根に由来する(創世記30章24節の語源説明)。

各伝統における意味

ユダヤ教・キリスト教内部の教説

父ヤコブに特別に愛され「色とりどりの長い衣」を与えられたことへの兄弟たちの嫉妬から、井戸に落とされ、隊商に奴隷として売られる。エジプトで宰相ポティファルの家で働くが、その妻の讒言により投獄される。獄中でファラオの側近の夢を解いたことがきっかけで、ファラオ自身の夢(7頭の肥えた牛と7頭の痩せた牛)を解き明かし、7年の豊作と7年の飢饉を予見してエジプトの食糧政策を担う宰相に抜擢される。飢饉の際、食糧を求めて訪れた兄弟たちと再会し、和解を果たす。この物語が、後にヤコブの一族全体がエジプトに移住する契機となり、『出エジプト記』への橋渡しとなる。

学術的読解

聖書学者は、この物語を「賢い異邦人の宮廷での成功物語」という古代近東文学の一類型(知恵文学的物語)として位置づけることがある。

美術

「色とりどりの衣」「ポティファルの妻の誘惑」などの場面は西洋美術で繰り返し描かれた主題。個別作品は今後ノード化する。

文学

トーマス・マンの長編小説『ヨセフとその兄弟』(1933-1943年)が、この物語を近代文学として再構成した代表作として知られる。

関連ノード

参考文献

関連ノード(発見の質でグループ化)

文脈の発見

隣接の発見