概要
『創世記』(ヘブライ語: בְּרֵאשִׁית ベレーシート)は、旧約聖書(ヘブライ語聖書)の最初の書。世界創造、人類の起源、族長物語などを含む。西洋の象徴文化において最も参照頻度の高いテキストの一つであり、蛇・楽園(庭)・堕落など多くのモチーフの起点となっている。
語源
書名「創世記」はギリシャ語七十人訳聖書での呼称 Γένεσις(ゲネシス、「起源・生成」の意)に由来するラテン語訳 Genesis を経た訳語。ヘブライ語原題「ベレーシート」は本文冒頭の語「初めに」を書名として用いる、ヘブライ語聖書の慣習による。
歴史
成立過程については学術的に複数の資料仮説(文書仮説など)が提示されており、単一の著者による一時期の執筆ではなく、複数の伝承層が編纂されたとする説が現代の聖書学では有力とされる。成立年代・編纂過程の詳細は学説によって幅がある。
各伝統における意味
ユダヤ教
トーラー(モーセ五書、モーセ(モーセ)に伝統的に帰される五書)の第一書として、律法の基盤となる創造・契約の物語群を提供する。
キリスト教
原罪教義の典拠として、アダムとエヴァ(アダムとエヴァ)の物語(創世記2〜3章)が特に重視される。蛇(蛇)による誘惑の場面は、後代のキリスト教教義における「堕罪」概念の中心的典拠となった。ただし本文自体は蛇を悪魔・サタン(サタン)と明示していない点は聖書学上しばしば指摘される。
美術
エデンの園(庭)・アダムとエヴァ・蛇の場面は西洋美術史上最も繰り返し描かれた主題の一つ(例: ミケランジェロ(ミケランジェロ・ブオナローティ)のシスティーナ礼拝堂天井画(システィーナ礼拝堂天井画)、デューラーなど)。個別作品は今後ノード化して接続する。
関連ノード
- 蛇 — 3章に登場する誘惑の主体
- 誘惑 — 3章の中心的テーマ
- 知恵 — 「善悪の知識の木」のテーマ
- 木 — 善悪の知識の木・命の木が生えるとされる植物
- 庭 — 舞台となるエデンの園
- バベルの塔 — 11章のエピソード
- ノア — 6〜9章の中心人物
- ノアの方舟 — 6〜9章のエピソード
- カインとアベル — 4章のエピソード
- ヤコブの梯子 — 28章のエピソード
- サタン — 蛇との明示的同一視はされていないが後代に結び付けられた存在
- モーセ — 「モーセ五書」として伝統的に帰される人物
- リリス — アダムの最初の妻という後代の外典的伝承
- アダムとエヴァ — 2〜3章の中心人物
- アブラハム — 12〜25章の中心人物
- イサク — 族長の系譜
- ヤコブ — 族長の系譜
- ヨセフ — 37〜50章の中心人物
- システィーナ礼拝堂天井画 — 天地創造の場面を描いた作品
生命の木から見た整理(任意)
本項は本プロジェクト独自の整理モデルであり、歴史的事実の記述ではない。(詳細は今後追記)
参考文献
- Elaine Pagels, Adam, Eve, and the Serpent, Random House, 1988. — 楽園追放神話の受容史を扱う標準的学術研究
- James L. Kugel, The Bible As It Was, Harvard University Press, 1997. — 聖書物語の古代における解釈史を扱う学術研究
- Richard Elliott Friedman, Who Wrote the Bible?, Summit Books, 1987. — 文書仮説を一般向けに解説した標準文献