辞典 / 人物

アダムとエヴァ


視点: 宗教 / 神話 / 西洋美術 / 歴史
テーマ: 旧約聖書

概要

アダムとエヴァは、『創世記』1〜3章に登場する、聖書における最初の男女。エデンの園()での創造、蛇()による誘惑(誘惑)、禁断の果実(林檎(リンゴ))を食べたことによる楽園追放の物語の主人公として、西洋文化史上最も繰り返し参照される物語の一つを形成する。

アルブレヒト・デューラー『アダムとエヴァ』(プラド美術館、1507年)
アルブレヒト・デューラー『アダムとエヴァ』(プラド美術館、1507年)。Public domain, via Wikimedia Commons

語源

「アダム(אָדָם)」はヘブライ語で「人間」を意味する語で、また「土(אֲדָמָה、アダマー)」との音の類似が、土から創造されたという物語と結び付けて語られる。「エヴァ(חַוָּה、ハヴァー)」は「命」を意味する語根に由来するとされる(創世記3章20節)。

歴史

『創世記』には、天地創造の順序が異なる2つの創造物語(1章の6日間の創造、2章のより詳細な人間創造)が並存しており、現代の聖書学ではこれらを異なる資料層(祭司資料・ヤハウィスト資料)に由来するものとして区別して読む立場が有力である。

各伝統における意味

ユダヤ教・キリスト教内部の教説

神が土からアダムを形作り、その肋骨からエヴァを創造したとされる(創世記2章)。蛇に誘惑されて善悪の知識の木()の実を食べたことで、楽園から追放される(3章)。キリスト教では、この出来事が人類全体に及ぶ「原罪」教義の典拠として、特にパウロ(パウロ)以降の神学で中心的な位置を占めるようになった。ユダヤ教では、原罪という教義自体は発展せず、この物語は人間の自由意志と責任を説く物語として異なる重みづけで読まれる。

学術的読解

聖書学者は、この物語を古代近東の他の人間創造神話(メソポタミアの『エヌマ・エリシュ』など)と比較しながら、古代イスラエルの人間観・神観を反映した神学的物語として位置づける。

美術

エデンの園・アダムとエヴァ・蛇の場面は西洋美術史上最も繰り返し描かれた主題の一つ(ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂天井画(システィーナ礼拝堂天井画)「アダムの創造」が特に著名、デューラーなど)。個別作品は今後ノード化する。タロット大アルカナ「恋人」(恋人)のライダー・ウェイト版以降の図像も、この主題を想起させる比較的近代の再解釈として位置づけられる。

文学

『失楽園』(ジョン・ミルトン)をはじめ、西洋文学史上繰り返し主題とされてきた。

哲学

「自由意志と原罪」というテーマは、アウグスティヌス以降の西洋神学・哲学史における中心的論争点の一つとなった。

関連ノード

参考文献

関連ノード(発見の質でグループ化)

文脈の発見

隣接の発見