概要
タロット大アルカナの6番。選択・結合・恋愛関係を表すとされるカード。
図像の変遷
ヴィスコンティ・スフォルツァ版では、目隠しをした有翼のキューピッドが上空から矢を放つ下で、若い男女が向き合う婚礼的な場面として描かれ、ビアンカ・マリア・ヴィスコンティとフランチェスコ・スフォルツァの婚姻を記念した図像とも言われる。マルセイユ版では特定の人物像から離れ、一人の男が二人の女性の間で選択を迫られる寓意的な構図が定着した。ライダー・ウェイト版はこれをさらに転換し、エデンの園のアダムとエヴァ、そして祝福する天使という聖書的図像に置き換えている。
歴史
初期のイタリアのデッキでは「愛(L’Amore)」として、キューピッド(エロース、エロス(クピド))に祝福される男女あるいは三人組の図像で描かれた。ライダー・ウェイト版以降に定着した「エデンの園のアダムとエヴァ」(アダムとエヴァ)を想起させる図像は、比較的近代の再解釈である。
各伝統における意味
ゴールデン・ドーン以降のオカルト的解釈
ヘブライ文字の伝統的分類では、恋人の配当パスであるザイン(ז)は「単字」に属し、黄道十二宮のうち双子座(双子座)に配当される。二人の人物が描かれる図像と、双子座(双子)の主題が符合する点はしばしば指摘される。
関連ノード
- path-zayin — 生命の木における配当パス
- 双子座 — ヘブライ文字の伝統的分類における配当サイン
- エロス(クピド) — 初期の図像に描かれた祝福者
- アダムとエヴァ — ライダー・ウェイト版以降の図像が想起させる、比較的近代の再解釈の対象
生命の木から見た整理(任意)
本項は本プロジェクト独自の整理モデルであり、歴史的事実の記述ではない。黄金の夜明け団の対応表では22パスのうちザイン(ז)のパス(path-zayin)に配当されるとされる。
参考文献
- Michael Dummett, The Game of Tarot: From Ferrara to Salt Lake City, Duckworth, 1980. — タロットが15世紀イタリアのトリックテイキングゲームとして始まったことを実証した基礎的な歴史研究
- Ronald Decker, Thierry Depaulis, Michael Dummett, A Wicked Pack of Cards: The Origins of the Occult Tarot, St. Martin’s Press, 1996. — 18世紀末以降のオカルト的再解釈(クール・ド・ジェブラン、エッティラ、レヴィ、黄金の夜明け団)の経緯を扱う
- Arthur Edward Waite, The Pictorial Key to the Tarot, William Rider & Son, 1910. — ウェイト版タロットの意味づけの一次資料
- Israel Regardie, The Golden Dawn: A Complete Course in Practical Ceremonial Magic, 6th ed., Llewellyn Publications, 1989(初版1937-1940). — 黄金の夜明け団内部の対応表の一次資料