概要
メナヘム・ベン・ベンヤミン・レカナーティ(Menahem ben Benjamin Recanati、13世紀後半〜14世紀初頭、生没年は史料により幅がある)は、イタリア・レカナーティ出身のラビ。同時代のイタリアでカバラを主題に著作を残した数少ない人物の一人として知られる。
歴史
ドイツ系のハシデイ・アシュケナズ(敬虔派)の思想的影響を受けつつ、トーラーへのカバラ的注解書『トーラー注解』(Perush ‘al ha-Torah、1523年ヴェネツィアで印刷)を著した。この注解書は、1558年の『ゾーハル』(『ゾーハル』)初版刊行より数十年も前に、同書を書名付きで大々的に引用した最初期の文献として史料的価値が高い。ラテン語にも翻訳され、キリスト教カバラの形成にも影響を与えた。
各伝統における意味
カバラ
レカナーティの注解は、当時まだ写本の形でしか流通していなかった『ゾーハル』の内容を広く知らしめる役割を果たし、印刷という新しい技術と結びついて初期のカバラ文献の中でも特に早くから普及した著作の一つとなった。
参考文献
- Moshe Idel, Kabbalah in Italy, 1280-1510: A Survey, Yale University Press, 2011. — レカナーティを含むイタリア・カバラ史の標準的学術研究
- Encyclopaedia Judaica, 2nd ed., Macmillan Reference/Keter, 2007, s.v. “Recanati, Menahem ben Benjamin.” — レカナーティの生涯・著作に関する標準的参考文献項目