概要
三角形(三角形)の中に描かれた目、あるいは光線を発する目の図像。「摂理の目(プロビデンスの目、Eye of Providence)」として、神の全知・摂理を象徴する図像として近世以降のキリスト教美術・秘教図像に広く用いられた。
歴史
古代エジプトの「ホルスの目(ウジャト)」など、目を守護・全知の象徴とする図像は古代から複数の文化圏で見られる。西洋美術における三角形(しばしば三位一体(三位一体)を表す)に囲まれた目の図像は、17〜18世紀のキリスト教美術に定着したもので、古代エジプトのホルスの目と直接の系譜的連続性があるわけではなく、別個に発展した図像である点に注意する必要がある。
各伝統における意味
キリスト教美術
三位一体(三位一体)の神の全知・摂理を表す図像として、教会建築の装飾などに用いられた。
秘教結社・国家の図像
18世紀以降、フリーメイソンの図像としても用いられるようになり、アメリカ合衆国の国璽・1ドル紙幣に描かれるピラミッドの上の目としても広く知られる。この用法は、キリスト教美術の摂理の目のモチーフを、啓蒙主義時代の秘教結社・国家象徴が転用したものである。
生命の木における関連
黄金の夜明け団の対応表では、ヘブライ文字「アイン(目の意)」のパス(path-ayin)が生命の木の第26パスに配当される。これは語義上の関連であり、プロビデンスの目の図像と歴史的に直接結び付くものではない点に注意が必要である。
現代文化
現代でも陰謀論的な文脈で「イルミナティの目」などと呼ばれ言及されることがあるが、これは図像の歴史的経緯とは別の、現代のポピュラーカルチャー・陰謀論的解釈である。
関連ノード
参考文献
- J.E. Cirlot, A Dictionary of Symbols, trans. Jack Sage, 2nd ed., Routledge, 1971. — 象徴図像学の標準的参照辞典
- George Ferguson, Signs & Symbols in Christian Art, Oxford University Press, 1954. — キリスト教図像学の標準的参照辞典