辞典 / 象徴

月桂冠


視点: 象徴 / 神話 / 西洋美術 / タロット
テーマ: 図像学

概要

月桂冠は、月桂樹(ローレル)の枝葉で編んだ冠。勝利・栄誉・詩的霊感を象徴する伝統的な図像で、ギリシャ神話のアポロン(アポロン)にまつわる神話に由来する。

ベルニーニ『アポロンとダフネ』(ボルゲーゼ美術館、1622年-1625年)。ダプネの指先が月桂樹の葉へと変わる瞬間
ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ『アポロンとダフネ』(ボルゲーゼ美術館、1622年-1625年)。Public domain, via Wikimedia Commons

語源

「月桂樹」の英語 laurel はラテン語 laurus に由来する。「桂冠詩人(poet laureate)」という語も、詩人に月桂冠を授ける古代からの慣習に由来する。

歴史

古代ギリシャのピュティア大祭(デルポイでアポロンを祀る競技祭)の優勝者には月桂冠が授けられた。古代ローマでは凱旋将軍にも月桂冠が授けられ、勝利の象徴として定着した。

各伝統における意味

ギリシャ神話(ダプネ神話)

アポロンに求愛されたニンフのダプネが、その求愛を逃れるため父である河神に助けを求め、月桂樹に姿を変えたという神話が伝わる(オウィディウス『変身物語』に詳しい)。以後アポロンは月桂樹を自らの聖なる木として身につけたとされ、これが月桂冠とアポロンの結びつきの起源とされる。

古代の競技・栄誉

前述のピュティア大祭やローマの凱旋式など、勝利者への栄誉の授与として広く用いられた。

タロット

タロットの「世界」(世界)カードのライダー・ウェイト版などの図像では、中央の人物を囲む楕円形の花冠がしばしば月桂樹を模した意匠で描かれ、達成・完成の象徴として解釈される。

文学

オウィディウス『変身物語』におけるダプネとアポロンの神話は、後世の西洋美術(ベルニーニの彫刻『アポロンとダフネ』(『アポロンとダフネ』)など)で繰り返し主題として取り上げられた。

現代文化

現代でもオリンピックなどのスポーツ競技における栄誉の象徴として、月桂冠のモチーフ(メダルのデザインなど)が用いられ続けている。

関連ノード

参考文献

関連ノード(発見の質でグループ化)

隣接の発見