辞典 / 象徴

帳(ヴェール)


視点: 象徴 / 宗教 / 西洋魔術 / タロット
テーマ: 図像学

概要

帳(ヴェール)は、隠された知・秘儀・神聖な領域と俗なる領域の境界を象徴する伝統的な図像。神殿の至聖所を隔てる垂れ幕から、タロット図像における秘儀の象徴まで、複数の文脈で用いられる。

ウィリアム・ベル・スコット『神殿の帳が裂ける』(1869年)
ウィリアム・ベル・スコット『神殿の帳が裂ける(Rending of the Veil)』、1869年、個人蔵。マタイ福音書27章51節の場面を描く。Public domain, via Wikimedia Commons

歴史

旧約聖書に記されるエルサレム神殿の至聖所(神の臨在の場とされる最奥部)は、垂れ幕(ヴェール)によって外部と隔てられていたとされる。新約聖書(マタイ福音書27章51節など)では、イエスの磔刑の際にこの神殿の垂れ幕が真っ二つに裂けたという記述があり、これは神と人間を隔てていた障壁が取り除かれたことの象徴として、キリスト教内部で解釈されてきた。

各伝統における意味

ユダヤ教(神殿の垂れ幕)

至聖所を隔てる神聖な境界として機能した。

キリスト教の教義的解釈

垂れ幕が裂けたという新約聖書の記述は、キリストの犠牲によって神と人間の間の障壁が取り除かれたことを象徴するという教義的解釈が、後代のキリスト教神学の中で発展した。

タロット・西洋秘教

タロットの「女教皇」(女教皇)カードのライダー・ウェイト版の図像では、二本の柱(ボアズとヤキン、二柱(ボアズとヤキン)を参照)の間にザクロの実の模様が織り込まれた帳が掛けられており、その奥に隠された秘儀・知識を暗示する図像として解釈される。これは近代西洋秘教における図像上の再構成であり、聖書の神殿の垂れ幕そのものの直接的な引用ではない。

関連ノード

参考文献

関連ノード(発見の質でグループ化)

隣接の発見