辞典 / タロットカード

吊るされた男


視点: タロット / 西洋魔術 / ヘルメス思想
テーマ: タロット

概要

タロット大アルカナの12番。停滞・視点の転換・自己犠牲を表すとされるカード。

ライダー・ウェイト・スミス版タロット『吊るされた男』
パメラ・コールマン・スミス画『吊るされた男』(ライダー・ウェイト・スミス版タロット、1909年)。Public domain, via Wikimedia Commons

図像の変遷

マルセイユ版タロット『吊るされた男』
マルセイユ版タロット『吊るされた男』(ニコラ・コンヴェル版木、Bibliothèque nationale de France所蔵、1809年-1833年頃の刷り)。Public domain, via Wikimedia Commons
ヴィスコンティ・スフォルツァ版タロット『吊るされた男』
ヴィスコンティ・スフォルツァ版タロット『吊るされた男』(1450年頃)。Public domain, via Wikimedia Commons

ヴィスコンティ・スフォルツァ版では、貴族風の衣装をまとった人物が両手を後ろで縛られ、片足首だけで横木から吊るされる姿で描かれ、表情は苦悶よりも穏やかさが目立つ。マルセイユ版でもこの「片足吊り」の基本構図は変わらず、素朴な木版表現で背景に木の枝が加えられた。いずれも中世イタリアで裏切り者を片足吊りの姿で描いて晒した「見せしめ絵(pittura infamante)」の系譜を引くとされる。

歴史

初期のイタリアのデッキでは「裏切り者(Il Traditore)」として、片足を吊るされた人物の姿で描かれた。中世イタリアでは実際に裏切り者・破産者を片足吊るしの姿で描いて公衆に晒す慣習(infamying picture)があり、この図像に由来するとする説が有力である。近代のオカルト的解釈(自己犠牲・悟り)は、この当初の懲罰的な意味とは異なる後付けの読みである。

各伝統における意味

ゴールデン・ドーン以降のオカルト的解釈

ヘブライ文字の伝統的分類(『形成の書』の「3母字」)では、吊るされた男の配当パスであるメム(מ)は3つの「母字」の一つで、四元素(四元素)のうち水()に配当される。

関連ノード

生命の木から見た整理(任意)

本項は本プロジェクト独自の整理モデルであり、歴史的事実の記述ではない。黄金の夜明け団の対応表では22パスのうちメム(מ)のパス(path-mem)に配当されるとされる。

参考文献

関連ノード(発見の質でグループ化)

対応の発見

隣接の発見