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『スキピオの夢注解』


視点: 哲学 / 宗教 / 歴史
テーマ: 哲学

概要

『スキピオの夢注解』(Commentarii in Somnium Scipionis、5世紀初頭)は、ローマの文人アンブロシウス・テオドシウス・マクロビウスによる注解書。キケロ『国家論』末尾の一挿話「スキピオの夢」に寄せた注解という体裁を取りながら、実際には新プラトン主義的な宇宙論・魂論を体系的に展開する、古代末期を代表する哲学的著作。

歴史

マクロビウス自身の経歴については確実な伝記的情報がほとんど残っていないが、5世紀初頭のローマ貴族社会で活動した文人と推定される。本書は中世を通じて広く写本が伝えられ、新プラトン主義の宇宙論を中世ヨーロッパの知識人に伝える主要な経路の一つとなった。

各伝統における意味

夢の五分類

本書は、夢を性質に応じて5種類(ソムニウム=寓意的な夢、ウィシオ=預言的な夢、オラクルム=権威ある人物が告げる夢、インソムニウム=単なる悪夢・生理的原因による夢、ウィスム=入眠時の幻覚)に分類する体系を提示した。この分類は、夢に真の啓示的価値を認める夢とそうでない夢を区別する枠組みとして、中世ヨーロッパの夢理論に大きな影響を与えた。

新プラトン主義的宇宙論

キケロの原文が示す「魂は死後、天界へ帰還する」という着想を出発点に、新プラトン主義(新プラトン主義)の宇宙論・魂の下降と上昇の教説を体系的に論じる。この点で、単なる夢占いの実用書ではなく、古代末期の哲学的宇宙論の主要な伝達者として位置づけられる。

哲学

キケロの政治哲学的文脈(理想の統治者論)と、新プラトン主義の形而上学的宇宙論を接合した点に、本書の哲学史的な独自性がある。

関連ノード

参考文献

関連ノード(発見の質でグループ化)

隣接の発見