概要
手相(掌相学、カイロマンシー Chiromancy)は、手のひらの線・形・膨らみ(丘)から性格や運命を読み解く占術。西洋の伝統では、手のひらの各部位に伝統的7惑星を配当する「惑星の丘」の体系が中心的な枠組みとなっている。
語源
英語 chiromancy はギリシャ語の「手(ケイル)」+「占い(マンテイア)」に由来する語。
歴史
手を読むことへの言及は古代ギリシャの文献にすでに見られ、アリストテレスに帰せられる(ただし後世の偽作とされる)論考『カイロマンティア』が中世ヨーロッパで広く読まれ、この分野の権威的典拠として扱われた。近世に入ると、占星術の理論的枠組みと結び付けられる形で体系化が進み、手のひらの各部位に7惑星を配当する現在よく知られた形式が定着していった。
各伝統における意味
惑星の丘の体系
手のひらの各指の付け根や膨らみは、それぞれ木星の丘(木星、野心・指導力)、金星の丘(金星、愛・美)などと呼ばれ、各惑星が象徴する性質の強弱を占う手がかりとされる。この体系は、占星術における惑星の性格づけを手相占いの解釈に応用したものである。
「自然的」実践としての位置づけ
中世〜近世のヨーロッパでは、手相占いを、未来を予知する「占い」というよりも、生まれつきの体質・気質を読み取る医学・自然哲学に近い「自然的」な実践として正当化しようとする議論もあり、これは同時代にしばしば禁止・弾圧の対象となった占星術・魔術的実践との位置づけの違いを示している。
現代の実践
現代でも大衆的な占いの一形態として広く親しまれており、手相の線(生命線・頭脳線・感情線等)を中心とした簡略化された体系が一般に流布している。
関連ノード
参考文献
- Martin Porter, Windows of the Soul: Physiognomy in European Culture 1470-1780, Clarendon Press, 2005. — 手相を含む近世ヨーロッパの人相学文化を扱う学術研究
- Katharine St. Hill, The Grammar of Palmistry, George Redway, 1889. — 19世紀の惑星対応体系を伝える代表的な実践書