概要
サンドロ・ボッティチェリ(Sandro Botticelli、1445年頃-1510年)は、フィレンツェで活躍したイタリア初期ルネサンスの画家。メディチ家の庇護を受け、『プリマヴェーラ』『ヴィーナスの誕生』(『ヴィーナスの誕生』)など、ギリシャ・ローマ神話を主題とした作品で特に知られる。
歴史
フィレンツェの有力な銀行家一族メディチ家、特にロレンツォ・デ・メディチの縁戚(ロレンツォ・ディ・ピエルフランチェスコ・デ・メディチ)の庇護のもとで活動した。当時のフィレンツェの人文主義的知識人サークル(マルシリオ・フィチーノらの新プラトン主義(新プラトン主義))との交流が、彼の神話画の思想的背景にあると考えられている。晩年は宗教的作風に転じ、神話画で確立した様式からは離れていった。
各伝統における意味
初期ルネサンス美術
中世キリスト教美術がほぼ独占的主題としてきた宗教画に対し、ギリシャ・ローマ神話を大画面の主題として本格的に復活させた初期の代表例として位置づけられる。『プリマヴェーラ』(『プリマヴェーラ』)はその代表作。
美術
線描の優美さ、装飾的な花や植物の緻密な描写を特徴とする画風で知られる。
哲学
新プラトン主義的な寓意解釈を伴う神話画を手がけたことから、フィチーノらの思想との関連がしばしば論じられるが、これは後世の美術史研究による思想的読解であり、ボッティチェリ自身が明示的にそのような意図を記した史料は残っていない点に留意が必要である。
関連ノード
- 『プリマヴェーラ』 — 代表作
- 『ヴィーナスの誕生』 — 代表作
- 新プラトン主義 — 思想的背景との関連がしばしば論じられる哲学
参考文献
- Ernst Gombrich, “Botticelli’s Mythologies: A Study in the Neoplatonic Symbolism of His Circle,” Journal of the Warburg and Courtauld Institutes, vol. 8 (1945), pp. 7–60. — 『プリマヴェーラ』の新プラトン主義的解釈を確立した古典的論文
- Ronald Lightbown, Sandro Botticelli: Life and Work, Abbeville Press, 1989. — ボッティチェリ研究の標準的モノグラフ