概要
アセンダント(上昇点、略号ASC)とは、出生(あるいは占う対象となる出来事)の瞬間・場所において、東の地平線上に昇りつつあった黄道上の度数・サインを指す占星術上の概念。ハウス(ハウス)体系における第1ハウスの始点(カスプ)となる。
語源
「アセンダント(Ascendant)」はラテン語 ascendere(「上る」)の現在分詞形に由来する。ホロスコープ(ホロスコープ)という語自体も、本来はこのアセンダントを指す語であった。
歴史
古代ヘレニズム占星術において既に出生図解釈の中心的な要素として位置づけられており、出生占星術の発展とともに重視されるようになった。
各伝統における意味
占星術内部の教説
現代の西洋占星術では、太陽星座が「本質的な自己」を表すとされるのに対し、アセンダントは、他者から見た第一印象・外見的な特徴・世界への向き合い方(「仮面」)を表すとされることが多い。この意味づけは占星術内部の教説である。
出生時刻の精度の重要性
アセンダントは地球の自転により約2時間で1サイン分(太陽の場合は約1か月で1サイン分)移動するため、正確な出生時刻(できれば分単位)が分からなければ精密な算出ができない。新聞・雑誌の太陽星座占い(生年月日のみに基づく簡略な占い)では、この出生時刻を要するアセンダントは考慮されない点が、技術的な出生図解釈との大きな違いの一つとなっている。
関連ノード
- ハウス — 第1ハウスの始点
- ホロスコープ — 構成要素の一つ
- MC(ミディアム・コエリ) — 異なる軸を基準とする、対になる基点
参考文献
- Nicholas Campion, A History of Western Astrology, Volume I: The Ancient and Classical Worlds, Continuum, 2008. — 古代占星術におけるアセンダントの位置づけを扱う学術研究
- Robert Hand, Horoscope Symbols, Whitford Press, 1981. — アセンダント解釈の標準的な現代占星術実践書