概要
ハウスとは、出生(あるいは占う対象となる出来事)の瞬間・場所における地平線を基準に、天球を12分割した占星術上の体系。同じく12分割であるサイン(サイン)が黄道(太陽の通り道)を基準とするのに対し、ハウスは観測地点の地平線・子午線を基準とする、性質の異なる座標系である。
語源
英語 house は日常語の「家」に由来し、天球上の各区分を12の「部屋」に見立てた表現とされる。
歴史
古代ギリシャ・ヘレニズム期の占星術に起源を持つとされ、当初から出生図(ホロスコープ、ホロスコープ)解釈の中心技法の一つとして発展した。
各伝統における意味
「サインは性質、ハウスは場所」という区別
占星術内部の教説では、あるサインに位置する惑星が「どのように」働くかを示すのに対し、ハウスは、その働きが人生の「どの領域」(自己、家庭、仕事、対人関係等)で現れるかを示すとされる。この「サインとハウスの区別」は、占星術の基本文法として広く教えられる区分である。
ハウスの分類
12のハウスは、出生図上の4つの基点(アセンダント(アセンダント)=第1ハウスの始点、ミディアム・コエリ(MC(ミディアム・コエリ))=第10ハウスの始点等)を基準に、アンギュラー(角、第1・4・7・10ハウス)・サクシーデント(続、第2・5・8・11ハウス)・ケーデント(果、第3・6・9・12ハウス)の3種に分類され、特にアンギュラーハウスは影響力が強いとされる。
複数のハウス分割方式
出生時刻・場所の情報から実際に12のハウスの境界(カスプ)を計算する方法には、プラシーダス方式、ホールサイン方式、イコールハウス方式など複数の流派があり、同じ出生データでも採用する方式によってハウスの境界線がずれることがある。単一の「正しい」方式が確立されているわけではなく、これは占星術内部で今なお議論が続く技術的な論点である。
関連ノード
- サイン — ハウスとは異なる基準を持つ、対になる分類体系
- アセンダント — 第1ハウスの始点
- MC(ミディアム・コエリ) — 第10ハウスの始点
- ホロスコープ — ハウスが構成要素となる図の全体
参考文献
- Nicholas Campion, A History of Western Astrology, Volume I: The Ancient and Classical Worlds, Continuum, 2008. — ハウス体系の成立史を扱う学術研究
- Robert Hand, Horoscope Symbols, Whitford Press, 1981. — ハウス解釈の標準的な現代占星術実践書