辞典 / 概念

バフォメット


視点: 西洋魔術 / 歴史 / 現代文化
テーマ: 悪魔 / 西洋魔術

概要

バフォメットは、中世のテンプル騎士団裁判で異端審問の中で言及された名に由来し、19世紀にエリファス・レヴィ(エリファス・レヴィ)が山羊の頭を持つ両性具有の図像として視覚化したことで、近代西洋オカルティズムを代表するシンボルとなった。

語源

中世の異端審問記録に登場する「バフォメット(Baphomet)」という語の語源には諸説あり、「ムハンマド」の中世フランス語における訛った音訳とする説などがあるが、確定した定説はない。

歴史

1307年以降のテンプル騎士団に対するフランス王フィリップ4世主導の弾圧・異端審問で、団員たちが「バフォメット」なる偶像を崇拝していたという自白が(拷問下で)引き出されたとされるが、この告発の史実性については歴史学的に強い疑義がある。この中世の告発と、19世紀にレヴィが創作した山羊頭の図像との間には、直接の史料的連続性はない。

各伝統における意味

中世異端審問における「バフォメット」

テンプル騎士団解体のための政治的な口実として利用された可能性が高いとする見解が、現代の歴史学では有力である。

エリファス・レヴィによる図像創作

レヴィは1856年の著作で、山羊の頭・両性具有の身体・五芒星(五芒星(ペンタグラム))を額に配した独自の図像を発表した。レヴィ自身の説明によれば、この図像は善悪・男女・人と動物・精神と物質といった対立するものの統合・調和を表す哲学的象徴として意図されたものであり、悪魔崇拝を意図したものではない。

近代オカルティズム・ポピュラーカルチャーにおける受容

レヴィの図像は、その後の西洋オカルティズム・ポピュラーカルチャーで広く流用され、しばしばレヴィの本来の意図から離れて「悪魔崇拝・サタニズムの象徴」として単純化されて受容された。

美術

レヴィ自身の手による挿絵が、後世に流布する図像の原型となった。

哲学

対立物の統合という思想は、ヘルメス思想の「上のごとく下も然り」的な対応原理とも親和的とされる。

現代文化

現代のポピュラーカルチャー・一部の宗教団体(サタニック・テンプルなど)で、レヴィの図像に由来する意匠がしばしば参照される。タロット大アルカナの「悪魔」(悪魔)カードの、山羊の頭と両性具有的な身体を持つ図像も、レヴィのバフォメット像から影響を受けたとされる。

関連ノード

参考文献

関連ノード(発見の質でグループ化)

隣接の発見