概要
数の9は、ピタゴラス派の数論では3の2乗(3×3)として3の性質を強化した完成の数とされる。中世キリスト教神学における天使の九階級論など、複数の伝統で「完成」を表す数として重視されてきた。
歴史
9は最大の一桁数として、しばしば「完成」「限界」の象徴とされてきた。中世キリスト教では、偽ディオニュシオス・アレオパギタに由来する天使の九階級論(天使の位階(九階級))が、この数の象徴性を天使論の体系に取り入れた代表例とされる。
各伝統における意味
ピタゴラス派の数論
9は3(3、調和の数)の2乗であることから、調和の性質が強化・完成された数とされた。
中世キリスト教神学における九階級論
天使を9つの階級に分類する体系(天使の位階(九階級))は、5〜6世紀の文書『天上位階論』に由来する。この体系における「9」という数の選択が、当時のピタゴラス的・新プラトン主義的な数論の影響をどの程度受けているかについては、確定的な学術的合意があるわけではない。
現代の通俗的数秘術
現代の大衆的な数秘術では、9は最大の一桁数であることから「完成」「達成」「普遍性」などの性格を象徴するとされることが多い。
関連ノード
- ペンタクルの9 — 対応する小アルカナ数札(ペンタクルのスート)
- ソードの9 — 対応する小アルカナ数札(剣のスート)
- カップの9 — 対応する小アルカナ数札(杯のスート)
- ワンドの9 — 対応する小アルカナ数札(杖のスート)
- 数秘術 — 上位の伝統
- 天使の位階(九階級) — 9という数を体系の基礎とする中世神学の分類
参考文献
- Walter Burkert, Lore and Science in Ancient Pythagoreanism, trans. Edwin L. Minar, Harvard University Press, 1972. — ピタゴラス派の数論研究の標準的学術文献
- Vincent Foster Hopper, Medieval Number Symbolism: Its Sources, Meaning, and Influence on Thought and Expression, Columbia University Press, 1938. — 中世キリスト教における数象徴研究の古典的文献