辞典 / 人物

パラケルスス


視点: 錬金術 / ヘルメス思想 / 歴史
テーマ: 錬金術

概要

パラケルスス(Paracelsus、本名テオフラストゥス・ボンバストゥス・フォン・ホーエンハイム、1493年頃〜1541年)は、スイス生まれの医師・錬金術師。錬金術を金属変成の技術から医療・化学(イアトロケミー)へと応用した先駆者として知られる、実在の歴史上の人物。

クインテン・マサイスの失われた原画に基づく17世紀の肖像画『パラケルスス』
作者不詳(クインテン・マサイスの失われた原画に基づく17世紀の模写)『パラケルスス』(ルーヴル美術館)。Public domain, via Wikimedia Commons

語源

「パラケルスス」は「(古代ローマの医師)ケルススを超える者」を意味する自称の号とされる。

歴史

バーゼル大学で医学を教えた記録があるが、当時の医学界の権威(ガレノス医学)を公然と批判し追放されるなど、生涯を通じて既存の権威と衝突する経歴を持つ。伝統的な四体液説(四体液説)医学に対し、化学物質(鉱物由来の薬剤)を用いた治療を提唱した。

各伝統における意味

医療化学(イアトロケミー)

錬金術の技術を、金属変成ではなく病気の治療のための化学薬品の精製に応用した。この立場は後の近代化学・薬学の先駆と位置づけられることがある。

錬金術内部の教説

物質だけでなく人体も「小宇宙(ミクロコスモス)」として大宇宙(マクロコスモス)と対応するという思想(錬金術、ヘルメス思想の「上のごとく下も然り」に通じる考え方)を医療理論に取り入れた。伝統的な硫黄・水銀の2原理に「塩」を加えて再構成した「三原質」(三原質)説を、この医療理論の基盤とした。

現代文化

「毒か薬かは量による」という趣旨の言葉(毒性学の基本原則として現代でも引用される)はパラケルススに帰されることが多い。

関連ノード

参考文献

関連ノード(発見の質でグループ化)

隣接の発見