辞典 / 概念

三原質


視点: 錬金術 / ヘルメス思想 / 哲学
テーマ: 錬金術

概要

三原質(ラテン語: Tria Prima)は、パラケルスス(パラケルスス)が体系化した錬金術理論で、あらゆる物質が「硫黄(可燃性)」「水銀(揮発性)」「塩(不変性・固定性)」という3つの原理から構成されるとする考え方。

歴史

物質を硫黄と水銀の2原理から説明する考え方自体は、8世紀頃のアラビア錬金術(ジャービル・イブン・ハイヤーンに帰される理論)に遡るとされ、中世ヨーロッパの錬金術に継承された。パラケルススは16世紀に、この伝統的な硫黄・水銀の2原理に「塩」を加えて三原質説として再構成し、医療化学(イアトロケミー)の理論的基盤とした。

各伝統における意味

伝統的な錬金術理論

物質を第一質料(第一質料)から具体的な物として構成する3つの性質・原理とされ、硫黄は可燃性・能動性、水銀は揮発性・流動性、塩は不変性・物質性を象徴する。金属の生成も、この3原理の異なる配合の結果として説明された。

パラケルスス医学における応用

パラケルススは、人体もこの三原質の均衡によって成り立つとし、病気をこの均衡の乱れとして説明する医療理論を展開した。これは伝統的な四体液説(四体液説)医学とは異なる、パラケルスス独自の理論的枠組みである。

心理学

ユング心理学では、三原質もニグレド(ニグレド(黒化))・アルベド(アルベド(白化))・ルベド(ルベド(赤化))の色彩段階と同様、心的過程の象徴として再解釈されることがあるが、これは近代の心理学的解釈であり、錬金術師自身の意図とは区別する必要がある。

関連ノード

参考文献

関連ノード(発見の質でグループ化)

隣接の発見