概要
指輪は、始まりも終わりもない円環の形状から、永遠・誓約・結束を象徴する西洋の代表的な装身具モチーフ。ソロモン王が霊的存在を使役したと伝わる「ソロモンの指輪」の伝説、ルノルマンカードの「指輪」の図柄など、由来の異なる複数の伝統でそれぞれ意味づけられてきた。
歴史
古代から指輪は権威・所有・誓約の標章として用いられ、印章指輪(シグネットリング)は個人・家門の証明手段として機能した。中世以降のヨーロッパでは、婚姻の誓約を示す標章としての用法が定着した。
各伝統における意味
ソロモンの指輪伝説
中世以降、旧約聖書のソロモン王(ソロモン王)が、神から授かった魔法の指輪の力によって悪魔・精霊を使役し、それらに神殿建設を手伝わせたとする伝説が発展した。この伝説は、ソロモン王自身が仮託著者とされる複数のグリモワール(魔術文献)の権威の由来ともなった。指輪の印章は、六芒星(六芒星(ヘキサグラム))あるいは五芒星の図像として描かれることが多いが、指輪という物としての伝説と、その印章図案そのものは、それぞれ独立して発展した要素である点に注意が必要。
誓約・永遠性の象徴
始点も終点も持たない円環の形状から、婚姻における永遠の誓約、あるいは循環する時間・宇宙そのものの象徴として、西洋文化に広く受け入れられてきた。
ルノルマンカードにおける用法
ルノルマンカード(ルノルマンカード)では、指輪は契約・結婚・パートナーシップを象徴するカードとして用いられる。ソロモンの指輪のような魔術的な力の伝承とは異なる、日常的な人間関係の約束事を表す素朴な象徴である。
関連ノード
参考文献
- J.E. Cirlot, A Dictionary of Symbols, trans. Jack Sage, 2nd ed., Routledge, 1971. — 象徴図像学の標準的参照辞典
- Owen Davies, Grimoires: A History of Magic Books, Oxford University Press, 2009. — ソロモンの指輪伝説を含む西洋魔術文献の歴史を扱う標準的学術研究