概要
タロット大アルカナの17番。希望・インスピレーション・静けさを表すとされるカード。星(象徴一般としての星)のうち、タロット大アルカナの一枚としての用法を扱う。
図像の変遷
ヴィスコンティ・スフォルツァ版では、衣服をまとった女性像が片手を高く掲げ、大きな星をひとつ示す簡素な構図で描かれる。マルセイユ版になると、全裸の女性が二つの水差しから水と大地へそれぞれ水を注ぐという、現在よく知られる構図が確立し、頭上には大きな星ひとつと小さな星七つが配された。この構図はウェイト版にもほぼそのまま引き継がれている。
歴史
初期のイタリアのデッキから、水を注ぐ女性と星の図像として存在した。
各伝統における意味
黄金の夜明け団本流の対応表
黄金の夜明け団本流の対応表では、ツァディ(צ)のパス(path-tzaddi)に配当される。ヘブライ文字の伝統的分類ではツァディは「単字」に属し、黄道十二宮のうち水瓶座(水瓶座)に配当される。水瓶(水を注ぐ人物)の図像と水瓶座(「水を運ぶ者」の意)への配当は直接に符合する。
クロウリー(トート・タロット)の対応表
アレイスター・クロウリー(アレイスター・クロウリー)はこの配当をヘー(ה)のパス(path-heh)と入れ替え、「星」をヘーのパスに、「皇帝」(皇帝)をツァディのパスに配当した(詳細は皇帝、path-heh、path-tzaddiを参照)。
関連ノード
- path-tzaddi — 黄金の夜明け団本流における配当パス
- 水瓶座 — ヘブライ文字の伝統的分類における配当サイン
- 星 — 象徴一般としての「星」
- path-heh — クロウリー系の対応表における配当パス
- アレイスター・クロウリー — 独自の配当を行った人物
- トート・タロット — 独自の配当を採用したデッキ
生命の木から見た整理(任意)
本項は本プロジェクト独自の整理モデルであり、歴史的事実の記述ではない。黄金の夜明け団本流ではツァディ(צ)のパス(path-tzaddi)、クロウリーのトート・タロットではヘー(ה)のパスとされる。
参考文献
- Michael Dummett, The Game of Tarot: From Ferrara to Salt Lake City, Duckworth, 1980. — タロットが15世紀イタリアのトリックテイキングゲームとして始まったことを実証した基礎的な歴史研究
- Ronald Decker, Thierry Depaulis, Michael Dummett, A Wicked Pack of Cards: The Origins of the Occult Tarot, St. Martin’s Press, 1996. — 18世紀末以降のオカルト的再解釈(クール・ド・ジェブラン、エッティラ、レヴィ、黄金の夜明け団)の経緯を扱う
- Arthur Edward Waite, The Pictorial Key to the Tarot, William Rider & Son, 1910. — ウェイト版タロットの意味づけの一次資料
- Israel Regardie, The Golden Dawn: A Complete Course in Practical Ceremonial Magic, 6th ed., Llewellyn Publications, 1989(初版1937-1940). — 黄金の夜明け団内部の対応表の一次資料
- Aleister Crowley, The Book of Thoth, Ordo Templi Orientis, 1944. — クロウリー(トート・タロット)独自の配当の一次資料