概要
ウラノスは、ギリシャ神話における天空神で、原初の神格(始原神)の一柱。大地母神ガイア(ガイア)の息子であり配偶者で、ティーターン神族(クロノス(クロノス)を含む)の父とされる。息子クロノスによる去勢神話で特に知られる。
語源
Οὐρανός(ウラノス)はギリシャ語で「天・空」を意味する語。英語の惑星名 Uranus(天王星)はこの神名に由来する(ただし、天王星は伝統的7惑星には含まれない近代に発見された惑星である)。
歴史
ヘシオドス『神統記』(『神統記』)の神統譜において、ガイアが自ら生み出した配偶神として登場する。
各伝統における意味
去勢神話
ウラノスは、ガイアとの間に生まれた子(ティーターン神族、百手巨人、キュクロプスら)を疎み、ガイアの体内(大地の奥底)に閉じ込め続けたとされる。これに苦しんだガイアは末子クロノスに鎌を与え、ウラノスを去勢させて支配権を奪わせた。この神話は、古代近東(ヒッタイト神話のクマルビ神話など)に類似の「父神殺し・世代交代」の型を持つ神話が存在することから、比較神話学の文脈でしばしば議論される。
切断された性器をめぐる異伝
ヘシオドスの伝承では、ウラノスの切断された性器が海に投げ込まれ、その周りに生じた泡からアプロディーテ(アプロディーテ)が生まれたとされる。また、切断の際に滴った血からは、復讐の女神エリニュス(エリニュス(復讐の女神))や巨人族(ギガンテス)が生まれたとする異伝も伝わる。
現代文化
天王星(天王星、Uranus)の名の由来となったが、天王星は西洋占星術の伝統的7惑星の枠組みには含まれない、18世紀の天文学的発見以降に加わった近代的な対応である点に注意が必要である。
関連ノード
- ガイア — 母であり配偶者
- クロノス — 去勢し支配権を奪った息子
- アプロディーテ — 切断された性器から生まれたとされる女神
- 『神統記』 — 去勢神話を伝える一次資料
- 天王星 — 名前の由来となった惑星
- エリニュス(復讐の女神) — 切断された性器から滴った血から生まれたとされる女神
参考文献
- Hesiod, Theogony, trans. M.L. West, Oxford University Press, 1988(原典 紀元前8世紀頃). — 去勢神話を伝える一次資料
- Timothy Gantz, Early Greek Myth: A Guide to Literary and Artistic Sources, Johns Hopkins University Press, 1993. — 各神話の異伝を古典文献に即して整理した標準的資料集