概要
アプロディーテ(古代ギリシャ語: Ἀφροδίτη)はギリシャ神話における愛と美の女神。ローマ神話の女神ウェヌス(ウェヌス、金星の由来となった神)と同一視される。
語源
Ἀφροδίτη の語源には、ギリシャ語「泡(アプロス、ἀφρός)」に由来するという民間語源(ヘシオドス『神統記』(『神統記』)に見える、海の泡から生まれたとする神話に基づく)と、それ以前の非ギリシャ語起源を想定する説がある。
歴史
キプロス島との結び付きが古くから強く(「キプリス」の異名でも呼ばれる)、地中海東岸由来の豊穣女神信仰との関連が指摘される。
各伝統における意味
ギリシャ神話
ヘシオドス『神統記』(『神統記』)では、天空神ウラノス(ウラノス)の切断された性器が海に落ち、その泡から生まれたとされる(この誕生の場面はサンドロ・ボッティチェリ『ヴィーナスの誕生』(『ヴィーナスの誕生』)の主題としても知られる)。ホメロス叙事詩など他の伝承では、ゼウスとディオネの娘とされる系譜もあり、出自についても複数の伝承が並立する。
カリテスとの随伴関係
優美・魅力を司る三姉妹の女神カリテス(カリテス(優美の三女神))を随伴者として伴う姿でしばしば描かれ、アプロディーテの美を視覚的に増幅する役割を果たした。
ローマ神話
ローマ神話の女神ウェヌス(ウェヌス)と同一視され、この名がそのまま英語の惑星名 Venus(金星)の由来となった。
関連ノード
- 金星 — ローマ神話における同一視先(ウェヌス)に由来する惑星
- ウェヌス — 同一視されるローマ神話の女神(別系統の存在)
- ヘファイストス — 夫
- エロス(クピド) — 子(古典期以降の伝承)
- 『ヴィーナスの誕生』 — 誕生の場面を描く代表的絵画
- 『パリスの審判』 — パリスが選んだ場面を描く絵画
- パリス — 審判でアプロディーテを選んだ人物
- 『神統記』 — 誕生譚を伝える一次資料
- 薔薇 — 古代より結び付けられてきたモチーフ
- ウラノス — 切断された性器から誕生したとされる由来元の神
- カリテス(優美の三女神) — 随伴者とされる優美の三女神
参考文献
- Walter Burkert, Greek Religion, trans. John Raffan, Harvard University Press, 1985. — ギリシャ宗教研究の標準的学術文献
- Timothy Gantz, Early Greek Myth: A Guide to Literary and Artistic Sources, Johns Hopkins University Press, 1993. — 各神話の異伝を古典文献に即して整理した標準的資料集