概要
美・愛・秘密を象徴する花。西洋魔術・ヘルメス思想の文脈では「薔薇十字」の名にも使われる中心的モチーフである。
歴史
古代ギリシャ・ローマから愛の女神(アプロディーテ(アプロディーテ)/ウェヌス(ウェヌス))に結び付けられてきた。ヨーロッパでは秘密裏の会話・約束を意味する「sub rosa(薔薇の下で)」という成句が中世以降用いられ、薔薇と秘密の結びつきは古い。
各伝統における意味
キリスト教
聖母マリア(聖母マリア)の象徴(「棘のない薔薇」)として、中世キリスト教美術で頻繁に用いられた。
薔薇十字思想(ヘルメス思想・西洋魔術)
17世紀初頭のドイツで匿名文書として登場した薔薇十字思想(ローゼンクロイツ)では、薔薇は十字架と組み合わされ、秘教的な知の象徴として用いられる。これは古代からの「愛の象徴としての薔薇」とは別系統の、近世ヨーロッパにおける再解釈である。
関連ノード
- 薔薇十字団 — 名称・図像の由来となった秘教運動
- 聖母マリア — 「棘のない薔薇」として象徴される人物
- アプロディーテ — 古代より結び付けられてきた愛の女神
- ウェヌス — 古代より結び付けられてきた愛の女神
生命の木から見た整理(任意)
本項は本プロジェクト独自の整理モデルであり、歴史的事実の記述ではない。(詳細は今後追記)
参考文献
- J.E. Cirlot, A Dictionary of Symbols, trans. Jack Sage, 2nd ed., Routledge, 1971. — 象徴図像学の標準的参照辞典
- George Ferguson, Signs & Symbols in Christian Art, Oxford University Press, 1954. — キリスト教図像学の標準的参照辞典
- Frances A. Yates, The Rosicrucian Enlightenment, Routledge & Kegan Paul, 1972. — 薔薇十字文書の思想史的背景を扱う古典的研究