辞典 / 神格

クロノス


視点: 神話 / 宗教 / 西洋占星術
テーマ: ギリシャ神話

概要

クロノス(古代ギリシャ語: Κρόνος)はギリシャ神話におけるティーターン神族の主神で、ゼウス(ゼウス)の父。ローマ神話の農耕神サートゥルヌス(Saturnus、英語 Saturn=土星の由来)と同一視される。時間を意味するギリシャ語クロノス(χρόνος)とは綴りが異なる別語源だが、両者はしばしば混同・同一視されてきた。

シモン・ヴーエ『愛・美・希望に打ち負かされる時(サトゥルヌス)』(プラド美術館、1627年)
シモン・ヴーエ『愛・美・希望に打ち負かされる時(サトゥルヌス)』(プラド美術館、1627年)。大鎌と砂時計を持つ「時の翁」としてのサトゥルヌス=クロノスが描かれる。Public domain, via Wikimedia Commons

語源

Κρόνος の語源には諸説あり、確定した定説はない。時間の神クロノス(Χρόνος)との音の類似から、後代に両者が同一視される潮流が生じたが、これは民間語源による混同であり、本来別個の存在である。

歴史

ヘシオドス『神統記』(『神統記』)に伝わる神統譜において、クロノスは天空神ウラノス(ウラノス)と大地母神ガイア(ガイア)の子で、父ウラノスを鎌(大鎌)で去勢し支配権を奪ったとされる。この際に滴った血から復讐の女神エリニュス(エリニュス(復讐の女神))が生まれたという異伝も伝わる。この神話は、古代近東(ヒッタイト神話のクマルビ神話など)に類似の「父神殺し・世代交代」の型を持つ神話が存在することから、比較神話学の文脈でしばしば議論される。

各伝統における意味

ギリシャ神話

自らの子に王位を奪われるという予言を恐れ、生まれた子を次々に飲み込んだが、末子ゼウスだけは母レアーの機転で難を逃れ、後に成長してクロノスを打倒し、オリュンポスの神々の時代を開いたとされる。子を飲み込む場面は、フランシスコ・デ・ゴヤの『我が子を食らうサトゥルヌス』(『我が子を食らうサトゥルヌス』)の主題としても知られる。クロノスが統治した時代は「黄金時代」(労苦のない理想郷)として理想化されて語られることが多い。

ローマ神話サートゥルヌスとの同一視

ローマ神話の農耕神サートゥルヌスと同一視され、この名がそのまま英語の惑星名 Saturn(土星)の由来となった。ローマの祝祭「サトゥルナーリア」(後のクリスマスの一部の習俗の起源とも言われる)はサートゥルヌス信仰に由来する。

美術

鎌(大鎌)を持つ姿で描かれることが多い。

関連ノード

参考文献

関連ノード(発見の質でグループ化)

対応の発見

文脈の発見

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