概要
メドゥーサは、ギリシャ神話に登場する三姉妹の怪物「ゴルゴン」の一人。見る者を石に変える力を持つ髪が蛇である女性として描かれる。英雄ペルセウス(ペルセウスとアンドロメダ)に討たれたことで特に知られる。
歴史
古い伝承では3姉妹のゴルゴンのうち唯一メドゥーサだけが不死ではなく殺害可能とされる。オウィディウス『変身物語』(『変身物語』)では、元は美しい乙女であったがアテナ(アテナ)の神殿でポセイドンに凌辱され、それに怒ったアテナによって蛇の髪に変えられたとする後代の異伝が伝わる。
各伝統における意味
ギリシャ神話
ペルセウスに討たれたメドゥーサの首は、盾(アイギス)に取り付けられてアテナに献上されたとされ、アテナの図像上の重要な持物となった。
深層心理学的解釈
フロイト(ジークムント・フロイト)は論考「メドゥーサの首」(1922年、死後出版)で、メドゥーサの図像を去勢不安の象徴として精神分析的に解釈した。これは近代の心理学的解釈であり、古代ギリシャ人自身が意図した意味とは区別する必要がある。
美術
カラヴァッジョの『メドゥーサ』(1597年頃)、ベンヴェヌート・チェッリーニの彫刻『ペルセウス』(メドゥーサの首を掲げる像、1554年)などが著名。個別作品は今後ノード化する。
文学
オウィディウス『変身物語』が異伝を含む主要な古典文献。
心理学
上記フロイトの解釈のほか、「メドゥーサの視線」は現代の批評理論でも比喩として言及される。
関連ノード
- アテナ — 首を盾に取り付けたとされる女神
- ペルセウスとアンドロメダ — メドゥーサを討った英雄の物語
- ペガソス — メドゥーサの血から生まれたとされる存在
- ジークムント・フロイト — 去勢不安の象徴として精神分析的に解釈した人物
- 『変身物語』 — 異伝を伝える主要な古典文献
参考文献
- Timothy Gantz, Early Greek Myth: A Guide to Literary and Artistic Sources, Johns Hopkins University Press, 1993. — 各神話の異伝を古典文献に即して整理した標準的資料集
- Ovid, Metamorphoses, trans. A.D. Melville, Oxford University Press, 1986(原典 紀元前後). — メドゥーサの異伝を伝える代表的な古典文学作品
- Sigmund Freud, “Medusa’s Head” (1922, published posthumously 1940), in Standard Edition, Vol. 18, Hogarth Press, 1955. — メドゥーサの精神分析的解釈の代表作